天然ガスハイトレード(NGH)

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天然ガスハイドレート(NGH)とは 製造・輸送コストを抑える、「燃える氷」。
メタンハイドレートの分子構造

ハイドレートとは、水分子のつくるクラスター(かご構造)の中にメタンや二酸化炭素などの分子(ゲスト)が取り込まれた包接水和物です。天然ガスはメタン・エタン・プロパンを主成分として構成されており、これらをゲストとして人工的に製造されたものが天然ガスハイドレート(Natural Gas Hydrate)。「燃える氷」とも呼ばれています。
ハイドレートは常温大気圧環境に置くと比較的早く分解してしまいます。大気圧下で分解を安全に止めるにはマイナス80℃程度にまで温度を下げなくてはなりません。しかし、本来であれば分解してしまう環境(非平衡領域)でも、ある条件ではその分解が非常にゆっくりとなる現象が確認されています。これは自己保存効果と呼ばれ、NGHでは大気圧下マイナス20℃でその効果が最も顕著に現れます。

天然ガスハイドレート(NGH)という天然ガスの新しい輸送・貯蔵方式は、その単位体積あたり約170倍の天然ガスを包蔵することができます。-162℃の低温でガスを液化する液化天然ガス(LNG)方式に比べ、サプライチェーン全体でみると必要とするエネルギーが少なく、大気圧下-20℃の穏やかな条件で取り扱いが可能なため、輸送・貯蔵効率がおちるものの、それぞれ設備を簡便にすることでコストの増加を抑えられます。その結果、製造・輸送・貯蔵・ガス化というサプライチェーン全体で捉えた場合、トータルの投資コストを下げることが可能となります。従って、LNG方式では採算があわない中小ガス田の開発に適するとして注目されているのです。

NGHペレット 自己保存状態(大気圧、マイナス20°C)
NGHとLNGの物性の比較
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NGHを通して目指す方向とは。
未利用の中小ガス田も開発可能に

世界中には採算面から未開発のままの設置されている中小ガス田が数多く存在します。そして油田から出る随伴ガスの多くも利用されていないのが現状です。その量は天然ガス全埋蔵量の約40%。決して少なくはないこれらのガス資源を、有効に活用する手段としてNGHは期待されています。

NGH-FPSOイメージ(浮体式NGH生産貯蔵出荷設備)
ガス田数
世界初、NGH陸上輸送実証プロジェクト。
NGH製造出荷実証設備(日産5ton) NGHローリー(実証プロジェクト用)

天然ガスの需要国内での最終ユーザーへの配送に目を向けると、これまで、パイプラインが敷設されていない地域への陸上輸送手段としてはLNGローリーが一般的でしたが、NGHローリーには再ガス化装置も搭載されている事から、需要家側に設備面での負担をさほどかけることなく、比較的容易に天然ガスを導入することが出来ます。
このため、NGHは、新しい陸上輸送手段としても注目されています。三井造船は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助をうけて、中国電力(株)と共同で同社柳井発電所内にNGHを日産5トン製造できる製造・出荷実証設備を建設。
NGHローリー、都市ガス及び自家用発電設備への利用設備を含めた、NGHの陸上輸送サプライチェーンの実証を行いました。

NGH海上輸送チェーンの確立を目指す。
NGH輸送船イメージ

NGHの海上輸送チェーンの実現をめざして、NGHの製造、輸送、貯蔵・搬送設備・再ガス化装置を含めたサプライチェーン全体をカバーする技術開発を行っており、現在、パイロットプロジェクトの構築に取り組んでいます。三井造船は、中小ガス田の開発促進を通じて、クリーンな天然ガスのさらなる普及に貢献します。

三井造船が手掛ける技術開発