三井造船技報

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三井造船技報

II 製品・技術ニュース
  • 全世界対応型高精度DGPS入出港着離桟操船支援システム
    -グローバルディファレンシャルGPSの適用-
    【問い合わせ先】
    株式会社 三井造船昭島研究所 事業統括部 事業推進部
    TEL 042-545-3112 織田 博行
  • 市原パワー(株) 市原発電所向け 110MWガスタービン複合発電所が運転を開始
    【問い合わせ先】
    機械・システム事業本部 事業開発部
    TEL 03-3544-3043 小林 敏郎
  • エクセル用アドイン地図ツール“マップのせ~る!”新販売
    -エクセルデータを分析しビジュアル地図表現が可能に-
    【問い合わせ先】
    三井造船システム技研株式会社 社会システム事業推進室 営業推進部
    TEL 043-274-6181 玉谷 洋一

I 技術論文・報告
1. 熱電独立可変ガスエンジンシステムを開発
坂根 篤、近藤 守男

三井造船は、多様な熱・電力需要形態に適応する天然ガスコージェネレーションシステムとして、発電出力1MW級熱電独立可変ガスエンジンシステムを開発した。本システムは、ガスエンジン(GE)、排気エネルギ動力回収システム(TCS)及び排気再燃ボイラシステムで構成される。ミラーサイクル、線形予測解析による異常燃焼検出などを適用し、GE本体を高効率化すると共に、過給機・発電機直結型TCSを装備して一層の高効率化を図った。排気再燃ボイラシステムは、追焚きバーナとボイラで構成され、追焚き燃料量の制御により、発電出力とは独立に熱出力(蒸気量)が可変である。当該開発システムの総合評価試験を行い、1MW級で世界最高レベルの発電効率42.5%、総合効率84%(温水での回収熱を含む)、NOx 200ppm(0%O2)以下、及びGE50%負荷以上の熱電比0.5~1.5の範囲で熱・電出力独立可変を実証した。

全文(328KB)

【問い合わせ先】
機械・システム事業本部 機械工場 技術部
TEL 0863-23-2360 坂根 篤
2. 小型・高精度なヒーブ補償機能付きDDVCウィンチを開発
宮島 省吾、織田 博行、植木 修次、土井 裕文

海洋観測の安全性や精度向上のために、船体の上下動によるワイヤ張力の変動や吊り下げた観測機器の上下動を緩和するヒーブ補償システムの高度化が望まれている。従来からクレーンアームを上下させ動揺を緩和するヒーブモーションクレーンがあるが、大規模なシステムとなるため省エネや省スペースに問題があり、特に小型船には装備不可能であった。
三井造船は、応答特性に優れた次世代型電動油圧システム(DDVC)を利用した省スペースでエネルギー効率の高いヒーブ補償ウィンチシステムを開発した。船体の動揺量を基にドラムの回転のみを操作することによりセンサの上下動を緩和できるため、ウィンチ以外の周辺装備が不要となった。水槽実験と実船実験の結果、計測機器の動揺量を約30%に緩和できる性能を確認した。本システムは平成16年2月に、東京都の漁業調査指導船“たくなん”に採用され、好評を得ている。

全文(394KB)

【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 艦船・特機営業部
TEL 03-3544-3390 植木 修次
3. 電着工法によるRC製浮桟橋の漏水防止施工試験
山田 満、深沢 恵志、佐々木 晴敏、藤澤 泰之

三井造船は、十数年前より鉄筋コンクリート(RC)製港湾構造物への電着技術を応用した補修工法について各種の試験・評価を継続し、実構造物の施工を通して技術の確証を行ってきた。今回、本工法を、完成後30年経過し、ひび割れ・剥落・漏水の見られたRC製浮桟橋の補修に適用し、その有効性について種々の検討を行った。
本報では、浮桟橋の補修前の状況、電着施工法の概要、補修後の止水状況、補修前後の浮桟橋本体からコアリング採取した各試験体における透水性試験及び細孔構造分析結果の比較について紹介する。本工法による約5ヶ月の通電処理の結果、ひび割れ箇所の封孔効果及びコンクリートの緻密化という改質効果により止水性の顕著な向上が図れ、浮桟橋内部への漏水が大幅に低減できた。これにより、本工法が漏水補修工法として十分な信頼性を有していることが明らかになった。

全文(241KB)

【問い合わせ先】
鉄構・物流事業本部 沿岸開発営業部
TEL 03-3544-3292 杉本 達彦
4. トンネル覆工コンクリート検査用3次元映像化レーダを開発
江澤 一明、土井 恭二、森島 弘吉、星島 一輝

三井造船は、自社開発したマルチパスアレイレーダ(MPA)技術を応用した効率的なトンネル検査システムを東日本旅客鉄道株式会社と共同で開発した。共同開発の背景には、トンネル覆工コンクリートの剥落事故発生を契機に、トンネル所轄管理者からトンネル健全性評価の新しい検査手法が要望されてきたことがある。
従来、コンクリート表面を熟練した検査者がハンマーで叩き、その打撃音から内部欠陥の有無を判断してきたが、広範囲の検査には膨大な労力を要すること、判定には個人差が生じがちであるという問題点を抱えていた。
本システムは、コンクリート内部欠陥の3次元映像化技術を搭載し定量的で高精度な欠陥箇所候補の抽出を可能とした。実際の現場に導入・運用され、システム機能の有効性を確認し、大幅な検査の労力軽減、効率の向上が達成できた。また、長距離検査時の課題であったデータ解析に要する作業時間を1/5程度に短縮できた。

全文(429KB)

【問い合わせ先】
機械・システム事業本部 メカトロシステム営業部
TEL 03-3544-3221 江澤 一明
5. 三井リサイクリング21(R21)の燃焼熱流動シミュレーション
須山 達夫、杉本 富男、徳永 典也、高橋 正浩

昨今、地球温暖化防止や汚染物質排出低減が重要な課題となっており、三井造船においても、燃焼機器からの汚染物質の排出抑制と性能向上を目的として燃焼技術及びその解析技術の研究開発を進めている。
本報では、当社、燃焼解析の一つとして、ごみ熱分解溶融炉である三井リサイクリング21(R21)の千葉モデルプラントを解析対象とした解析事例を紹介する。R21の燃焼は、燃焼熱流動の中でも最も複雑な部類に属するものである。すなわち、ごみを熱分解することによって得られた熱分解ガスと熱分解カーボンの旋回流れ場における高温燃焼で、熱分解カーボンからの揮発分の放出やふく射伝熱などの現象を伴う。
本現象について熱流動解析ソフトFLUENT6.1を用いて、ガス及び固体の燃焼反応を考慮した熱流動解析を行った結果、解析データが実測データと実用的範囲でよく一致し、燃焼制御の設計へ適用できることを確認した。

全文(232KB)

【問い合わせ先】
技術本部 CAEセンター
TEL 0863-31-9610 須山 達夫
6. NGHシステムのプロセス開発(第2報)
-NGHによる天然ガス輸送システムを実証-
松尾 和芳、岩崎 徹、加藤 裕一、八巻 俊男、高橋 信次、大屋 信貴、小川 憲二

NGH(天然ガスハイドレート)の持つ優れたガス包蔵性や温和な輸送・貯蔵条件などの特質に着目し、三井造船は、1998年よりNGHを利用した天然ガスの輸送・貯蔵システムの研究開発を実施している。2003年9月には、NGH製造、ペレット化、貯蔵・輸送、及び再ガス化からなる全プロセスの性能が実証できる、世界初の「NGHによる天然ガス輸送一貫システム」のプロセス開発プラント(PDU)が完成した。
本報では、NGH生成工程での温度や循環ガス量などの制御パラメータの影響を明らかにし、高純度のNGHパウダーの連続生成が可能なこと、メタン+エタン、天然ガス(都市ガス:13A相当)の混合ガスでも安定したNGH生成が可能なこと、ペレット化及び再ガス化を含む全工程を通じて、安定した連続運転(25kg/h)が行えることを確認し、NGHによる天然ガス輸送システムが工業プロセスとして可能であることを実証した。

全文(315KB)

【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1930 松尾 和芳
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