三井造船技報

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三井造船技報

III 製品・技術ニュース
  • 時間分解フローサイトメータ-バイオや医療の分析・検査で使用される新規装置を発売-
    【問い合わせ先】
    機械・システム事業本部 メカトロ・システム営業部
    TEL 03-3544-3221 江澤 一明、馬場 聡
  • 無公害の塗膜剥離剤SPCシリーズの販売-塗膜剥離と錆び・油汚れ・カビ・菌の除去-
    【問い合わせ先】
    三井造船プラントエンジニアリング株式会社 プロジェクト部
    TEL 03-3675-7467 玉川 準之介
  • 地震時における浮屋根式石油タンクのスロッシング防止システム-模型実験によってスロッシング防止効果を確認-
    【問い合わせ先】
    株式会社 三井造船昭島研究所 事業統括部 事業推進部
    TEL 042-545-3112 島田 潔
I 環境リサイクル小特集
1. 次世代型MSFBボイラの開発
竹林 保、大塚 厚史、新谷 一章

建築廃材チップ、RPF、廃タイヤなどのバイオマス燃料や各種産業廃棄物燃料を用いて高効率発電を行う場合の最も重要な技術的課題は、以下の3点に集約される。それらは1)過熱器の高温腐食問題、2)スラッギングやファウリングなどの対流部の汚れ問題、3)ダイオキシン類に象徴される公害防止問題である。
これらの課題を解決し、新たなマーケットに進出すべく、MSFB(Multi-Solid Fluidized Bed)ボイラの開発目標を、都市ごみ並みの厳しい腐食環境を与える塩素濃度1%燃料仕様に対し、産業用ボイラ分野では最も高い蒸気条件である 12.8MPa-541℃に定めた。
高温過熱器を浸漬する外部熱交換器を固-気対向流接触方式とし、腐食成分の分離機能を大幅に改良した。MSFBパイロットプラントで累計3000時間に及ぶ燃焼、腐食評価試験を実施し、高温過熱器の腐食がほぼ皆無となることが実証された。さらに、粒子クリーニングによる汚れ防止対策と低公害機能を強化し、燃料中塩素1%仕様の次世代型MSFBボイラの開発に成功した。

全文(333KB)

【問い合わせ先】
機械・システム事業本部 機械工場 パワーシステム部
TEL 0863-23-2411 竹林 保、大塚 厚史
2. バイオマス及び廃棄物のガス化装置の開発
木戸口 晃

バイオマスガス化発電プラントは、薄く広く分布するというバイオマス資源の性質上、処理規模を大きくすることが難しく、プラントコストが割高となるという課題を抱えている。
この課題を解決するために、三井造船は、木質系バイオマスと他の廃棄物系バイオマス資源の両者を合わせてガス化することが可能なガス化炉技術を開発し、この熱分解ガスを改質・精製して、ガスエンジンに供給して発電するガス化発電プラントを開発中である。
このプラントの鍵であるガス化炉技術として移動床ガス化炉を採用し、当社千葉事業所内に処理規模3.6 t/dのパイロットプラントを建設して平成16年6月より運転を開始し、これまでに木屑チップ単独、木屑チップ+一般ごみのガス化試験を行ってきた。間伐材の木屑チップのガス化試験では、目標の冷ガス効率70%をほぼ達成した。本報では、この結果について紹介する。

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【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1102 木戸口 晃
3. ナトリウム系薬剤を用いた新しい乾式排ガス処理システム(ソルティクルシステム®)の開発
杉本 富男、宮川 満

三井造船は、ごみ焼却排ガス中の酸性ガス除去剤としてナトリウム系の高反応な薬剤(ソルティクル®)を商品として新たに開発した。ソルティクルを用いた乾式脱塩システムとして、オンサイト粉砕方式と微粉方式の2つのソルティクルシステムを実用化した。
オンサイト粉砕方式は都市ごみ熱分解ガス化溶融炉において採用され、2年以上の安定した稼動を続けると共に、高い酸性ガス除去性能を実証している。
また、微粉方式はガス化溶融炉と流動床式焼却炉での運転を通じて、いずれも従来の消石灰系薬剤と比べて格段に高い脱塩性能を実証した。二段バグフィルタ後段の脱塩用バグフィルタに適用されたソルティクルシステムから回収した副生塩は純度が高く、ソーダ工業用原料塩などに再利用が可能であり、ソルティクルシステムは資源循環型社会に適したシステムであることが実証された。

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【問い合わせ先】
環境・プラント事業本部 技術開発部
TEL 0436-41-1103 杉本 富男
4. コンポスト化処理法を用いたダイオキシン類汚染土壌浄化システムの開発
二瓶 裕之、高岡 一栄、中谷 龍男

ダイオキシン類分解能を有するコンポスト(複合微生物製剤)と生物系有機物を添加したコンポスト化処理法を利用して、低濃度で広範囲に分布するダイオキシン類汚染土壌・底質を低コストで浄化できる微生物による環境修復システムを開発した。
ベンチスケール固相バイオリアクタを用いた実証試験により、汚染土壌のダイオキシン類分解半減期が49~58日であることを確認した。また、本試験結果をもとにダイオキシン類汚染土壌浄化プラントの概念設計を実施した結果、浄化処理コストは土壌1m3当り数万円であり、コンポスト化処理による汚染土壌浄化が低コストで実現可能なことを試算した。

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【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1930 二瓶 裕之
II 技術論文・報告
1. ニューラルネットワークによる滑走艇の実用的抵抗推定システムの開発
大庭 直樹、松村 竹実、鈴木 宏始、山下 進

小型中高速艇、特に高速滑走艇においては、部分的な設計変更が艇の全体性能へ波及しやすいため、船型計画に当たっては初期段階から様々な設計要素を同時に検討する必要がある。
三井造船では、この点を克服できる新しい設計システムとして、ニューラルネットワークによる実用的抵抗推定システムを開発した。本システムは、水槽試験シリーズデータ(Series62)を予めニューラルネットワークに学習させた後、その学習済ネットを用いて計画船の主要目や抵抗特性などの検討を行うものであり、複数の設計要素と抵抗特性との写像関係を同時に把握できるという特長を持つ。
本システムが設計初期段階から活用された建造船には富山県漁業取締船“つるぎ”があり、ウォータージェット船型におけるモノヘドロン船尾形状の優位性評価、主要目、重量重心計画、抵抗推定精度などの面で、その有効性が確認された。

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【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 基本設計部
TEL 03-3544-3521 大庭 直樹
2. 気泡力学による船舶水中雑音予測法の開発
上入佐 光、後藤 英親

船舶のプロペラに発生するキャビテーションノイズは音響測位を妨害する厄介な存在であるが、実機でのノイズ特性を予測するに十分信頼される水槽試験法は確立されていない。また定量的にも予測する手法は確立されていない。
三井造船とその子会社の(株)三井造船昭島研究所は、従来は解析的な扱いで近似解を得るにとどまっていた気泡運動方程式を数値計算で厳密に解いて、プロペラキャビテーションノイズを定量的に予測する手法を開発した。
本手法を実船に適用し、予測値は実船の計測結果と精度良く一致することを確認した。本手法は、さらに砕波・スプレー雑音予測、渦放射音や水中爆発シミュレーション計算にも適用され、その有効性が確認されている。
今後、さらに適用分野の拡大を図っていきたい。 

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【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 艦船・特機技術部
TEL 03-3544-3411 後藤 英親
株式会社 三井造船昭島研究所 事業統括部
TEL 042-545-3112 上入佐 光
3. 次世代型オンボード操船シミュレータの開発
上入佐 光、植木 修次、金広 和彦、菊池 雅人、青木 隆司、草ヶ谷 誠二

三井造船と子会社の(株)三井造船昭島研究所は、実船の操船装置と連接した次世代型のオンボード操船シミュレータを開発し、世界で初めて独立行政法人航海訓練所の練習船“銀河丸”に搭載した。
シミュレータの一部を実船の操船装置と併用することにより、コンパクト化が実現され、フルミッション仕様のシミュレータを限られた空間の船橋に搭載することが可能となった。また、船内LANからGPSやAIS(船舶自動識別システム)情報を入手して、実操船状況を再現する特徴的な機能を持たせると同時に、遠隔監視・遠隔評価・通信評価システムから構成される評価援助システムを導入した。
これらの機能を活用して、熟練者の操船状況をレビューしたり、総合的に訓練評価したりすることで、さらに効果的な操船訓練が可能となった。

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【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部  艦船・特機営業部
TEL 03-3544-3390 植木 修次
株式会社 三井造船昭島研究所 事業統括部
TEL 042-545-3112 上入佐 光
4. 炭素繊維シートと無収縮モルタルによる道路橋標識柱基部の疲労寿命改善法の開発
酒井 正和

近年、高架の高速道路に設置されている門型標識柱の基部に疲労亀裂が発生していることが報告されている。この疲労亀裂は主に大型車の通行により生じる橋梁の振動が原因であることが明らかにされている。既設の門型標識柱の基部に対する疲労亀裂の対策は検討、実施されているが、疲労寿命の改善は2~3倍であり、更なる寿命の向上が求められていた。
三井造船は、大阪大学、ショーボンド建設株式会社と共同で、標識柱基部鋼管における疲労強度の補強方法を開発した。今回開発した補強方法は、炭素繊維シートを鋼管の外側に10層貼り付け、さらに鋼管内部に無収縮モルタルを充填する方法である。実物大の構造模型を用いた疲労試験の結果、破壊までの疲労寿命が5倍に改善されることを確認した。

全文(278KB)

【問い合わせ先】
技術本部 技術総括部
TEL 03-3544-3246 酒井 正和
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