三井造船技報

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三井造船技報

第197号
三井造船技報 第197号(平成21年06月発行)
表紙説明: 水道管内点検ロボット Pipescope-500
水道管内点検ロボット
三井造船は、流れのある水道管内を、断水することなく調査できる“水道管内点検ロボットシステムPipescope-500”を開発し、実フィールドにおける実証運用を実施した。地上に設置した操縦・記録装置のTV モニタで管内の状況を見ながらロボット(外径60 mm、長さ450 mm)を操縦し映像を記録する。本ロボットシステムでは、ケーブルの繰出し/巻込み及びロボットの操縦を1 人の操作者で実施することが可能となった。今回実証運用を行った導水管では、内径600 mm の導水管上部に設置された呼び径75 mm の空気抜弁より水中ロボットを送り出し、断水状態(導水管に圧力はかかっているが流れがない状態)で52 m、不断水状態(導水管に圧力はかかっており最大流速0.6 m/s の流れがある状態)で152 m までの管内を進行させ、4 m ごとの継手の状況の撮影を行った。
当社は、水中ロボットを使用した各種水中調査で700 件以上の運用実績を有しており、“水道管内点検ロボットシステム”の開発により、更に水中ロボットによる点検の適用範囲が拡大した。


II 製品・技術ニュース
全文PDF(290KB)
  • 防火防水実習場を完成・引渡し
    -海上自衛隊佐世保教育隊向けで5基目-
    【問い合わせ先】
    艦船・官公庁船・特機営業部
    TEL 03-5202-3517 中西 育二
  • 福岡3号黒崎高架橋上部工(上り線・P8 ~ P12)工事
    -4径間連続非合成箱桁橋の製作・施工-
    【問い合わせ先】
    鉄構運搬機工場 鉄構設計部
    TEL 097-593-3773 志熊 隆
  • 衣浦港3号地廃棄物最終処分場(ハイブリッドケーソン)
    -鋼殻製作の完成引渡し-
    【問い合わせ先】
    鉄構運搬機工場 鉄構設計部
    TEL 097-593-3062 川村 善郎
I 技術論文・報告
1. 水道管内点検ロボットの開発
小川和弘

近年、上水道等の管路インフラ設備の老朽化による事故が問題になってきている。これを受けて、国はインフラ設備の管理者に定期的な点検・調査と計画的な改修・修繕を求め、具体的な施策を推進している。
三井造船では,最大300mの距離までの水道管内部を点検・調査可能な、超小型の管内点検ロボットを開発した。内径500mm以上の水道管内へ、給水を中断することなく、既設補修弁からロボット本体(外径60mm、長さ450mm)を挿入し、最大流速2m/sまで継手や腐食の状況を点検できる。作業者一人でロボットの操作とカメラによる観察・記録が可能である。実際の導水管で実証運用を行い、鮮明な映像を得ることができた。水道管のみならず、工業用水・農業用水管路まで、本ロボットによる点検調査が可能である。

全文(490KB)

【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 特機・水中機器部
TEL 042-543-6581 小川 和弘
2. 遺伝的アルゴリズムを用いた汎用最適化手法の開発
平山明仁、安東潤

ほとんどの工業製品の設計において、形状、配置、設定、組合せなどの最適解を見出す行為は、欠くことのできない要素であり、近年ますます複雑、高度化している設計業務において、効率よく最適化問題を解くことができる手法の開発が不可欠となってきている。三井造船昭島研究所は、三井造船の多くの製品群の設計過程で利用可能な汎用最適化手法を開発した。
本手法は、実数値遺伝的アルゴリズムを用いた既存の最適化手法に独自の改良を加えたもので、交叉法及び世代交代モデルに“適用確率変更型LUNDX-m+EDX”と“改良型POSS”を用いており、次のような特徴を有する。
1)多数の設計変数,評価項目及び制約条件を取り扱うことが可能である。
2)最適化問題の特徴に依存することなく、確実に最適解を発見することができる。
本報では、3 000TEU(Twenty-foot Equivalent Units)コンテナ船を対象にした本手法による船型改良例を紹介するが、この他にも船舶構造寸法最適化などの鋼構造の重量低減に適用を図り成果を得ている。

全文(829KB)

【問い合わせ先】
株式会社三井造船昭島研究所 技術統括部
TEL 042-545-3116 平山 明仁
3. バイオマス等由来熱分解炭化物のガス化技術の検証
宮地 健、藤田理人、岡田康生、杉本富男、小林信介、板谷義紀

環境対応型エネルギー利用技術の一つとして、バイオマス等のガス化発電、燃料化・原料化システムが注目されている。本研究は、熱分解・ガス化の2 段プロセスをバイオマスに適用し、多様な原料に対応できる効率的なガス化方法の確立を目指したものである。本報では、特に、後段のガス化炉での熱分解炭化物と高温燃焼ガスとの吸熱ガス化反応による効率的なガス冷却の有効性について、ベンチスケール実験装置で確認した結果について報告する。
各種炭化物を用いたガス化実験の結果、いずれの場合も炭化物ガス化反応ゾーンでは数百度のガス冷却が観察され、水噴霧を行わなくとも、ガス化反応を利用してガス冷却が実現できることを確認した。更に、水蒸気の添加は、ガス化率及び燃料転換効率の向上に有効であった。また、部分燃焼によるガス化に比べ、溶融飛灰付着が軽減することが確認できた。

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【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1102 宮地 健
4. 合成ガスを原料とするエタノール製造技術の開発
遠山正幸、高岡一栄、吉野貞蔵

環境問題の側面から、エネルギー確保の手段として、再生可能なエネルギーであるバイオエタノール製造が注目されている。しかし、バイオマス原料を利用するにあたっては。食料との競合について配慮する必要があるため、有機物の非食部を含めた廃棄物全般を原料とできる技術が求められている。
三井造船は、九州大学と共同で、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などの合成ガスからエタノール生産が可能なバクテリアを分離し、このバクテリアを利用した有機性廃棄物ガス化原料のエタノール生産プロセスの開発を進めた。その結果、エタノール発酵性能を向上させる特異的な酸化還元物質と、菌体高密度培養を併用することにより、エタノール生産性2.6g/L/dを達成し、製造プロセスの実用化への見通しを得た。

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【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1102 遠山 正幸
5. Web 版コンテナターミナル基幹情報管理システムYPCS の開発
川上 周、深沢紀博、佐藤明彦、国広政史

近年、業務アプリケーションソフトは、従来のWindows アプリケーションからWeb アプリケーションへと移行しつつある。
今回、三井造船はその変化に対応するため、コンテナターミナル管理システム(CTMS)の基幹情報管理システム(YPCS)をWeb アプリケーションにて再構築した。YPCS をWeb アプリケーション化する際、ユーザ・インターフェースの標準化、及び顧客ごとのカスタマイズ要望への対応を容易にすることを目的としたYPCS フレームワークを開発し、同フレームワーク上に新YPCS アプリケーションを構築した。
YPCS フレームワークの開発により、標準化が図られただけでなく、開発効率も向上し、さらには開発手法も変化するので、今後の開発コストダウンも期待できる。

全文(384KB)

【問い合わせ先】
鉄構・物流事業本部 物流エンジニアリング部
TEL 0863-32-5485 川上 周
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