三井造船技報

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三井造船技報

第198号
三井造船技報 第198号(平成21年10月発行)
表紙説明:バイオエタノール製造設備
バイオエタノール製造設備
三井造船は、全国農業協同組合連合会(JA 全農)より受注した、多収穫イネを原料とした世界初となるバイオエタノール製造設備を2009 年1 月に引き渡した。本設備は、JA全農が農林水産省による国家プロジェクトである「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」に採択されたことを受けて建設されたもので、JA 全農は新潟県内で原料となる非食用の多収穫イネの栽培から、バイオエタノールの製造、エタノール混合ガソリンの販売まで一貫して行なうモデル事業を実証する取り組みを行なっている。また、バイオエタノールとガソリンを直接混合したエタノール3%混合ガソリン「E3」燃料は、新潟県内のJA ガソリンスタンドで「グリーンガソリン」という商標で 2009 年7 月から販売開始された(本誌 p.43 の製品・技術ニュース参照)。


II 製品・技術ニュース
全文PDF(436KB)
  • 次世代天然ガス高圧貯蔵技術開発
    -鋼製ライニング式岩盤貯蔵施設の開発-
    【問い合わせ先】
    建設技術部
    TEL 03-5202-3908 小野 純二
  • 荒地谷2号橋の製作・架設工事
    -複合ラーメン橋のケーブルクレーンによる張り出し架設-
    【問い合わせ先】
    大分鉄構運搬機工場 鉄構設計部
    TEL 097-593-3773 松田 秀一
  • 東京国際空港D滑走路 桟橋上部ジャケット製作
    -上部鋼桁10基8000トンの引渡し完了-
    【問い合わせ先】
    大分鉄構運搬機工場 鉄構設計部
    TEL 097-593-3062 中野 訓雄
  • MES電子シリンダゲージ”の開発
    -大型舶用主機シリンダライナ内径計測器-
    【問い合わせ先】
    テクノサービス事業室
    TEL 0863-23-2381 田中 正紀
  • 世界初、多収穫イネを原料としたバイオエタノール製造設備
    -エタノール連続発酵技術(Biostil 2000)方式-
    【問い合わせ先】
    プロジェクト部
    TEL 03-5202-3982 山出 昇平
I 技術論文・報告
1. 天然ガスハイドレート(NGH)海上輸送チェーンの事業性調査
野上朋範、高沖達也、渡辺敬一、神田 肇、渡邊 茂、大屋信貴

既存のガス輸送技術であるパイプラインや液化天然ガス(LNG)では経済性が成立しない中小ガス田の開発に適した技術の開発が期待されている。三井造船は天然ガスハイドレート(NGH)技術に着目し、NGH 製造から再ガス化に至るサプライチェーン全体の技術開発に注力してきた。また、2007年4月、NGH海上輸送チェーンの事業性を検証し商業化を推進するため、三井物産(株)と共同でNGH ジャパン(株)を設立した。(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構の支援の下、当社はNGHジャパン、三井物産及び天然ガス関連6社とともにNGH による天然ガスサプライチェーンに関する事業性調査を行い、生産量がガス換算100~300万t/y、輸送距離が1 000~2 600海里の範囲でNGHが競争力を有するとの結果を得、東南アジアから日本へ、あるいは東南アジア域内で天然ガスを輸送する媒体としてNGH が適していることを確認した。

全文(522KB)

【問い合わせ先】
事業開発本部 NGH プロジェクト室
TEL 03-5202-3980 野上 朋範
2. 天然ガスハイドレート(NGH)輸送船の開発
中田 崇、吉野亥三郎、平井一司

天然ガスの新しい輸送媒体として天然ガスハイドレート(Natural Gas Hydrate:NGH)が注目されている。NGH は、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)よりも製造が容易でありかつ大気圧下の穏やかな温度(約-20 ℃)で輸送・貯蔵できることから、中小ガス田の開発においてLNG より経済性が高いと考えられている。三井造船では、NGH の製造・貯蔵・輸送・利用について研究開発を行ってきた。海上輸送システムの根幹を成すNGH 輸送船は、大量のNGH ペレット(小粒固形物)を貨物倉にばら積み貨物として積載して運搬する。NGH ペレットの単体の特性に限らず、ばら積み貨物としての特性の把握を目的として、大量のNGH ペレットを用いた各種の試験を行い、その結果に基づき荷役システムとしてリクレーマ方式を採用したNGH 輸送船を開発した。本報では、NGH ペレットの特性とNGH 輸送船の概要について紹介する。

全文(437KB)

【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 基本設計部
TEL 03-5202-3526 中田 崇
3. 天然ガスを模擬した多成分混合ガスハイドレートの生成特性
高橋正浩、神田伸靖、佐野健一、岩崎 徹

三井造船では、天然ガスハイドレート(NGH)による新しい天然ガスの輸送・貯蔵システムを開発中である。これまではメタンガスハイドレート(MGH)により開発を進めてきたが、このシステムを検討する上での基礎となる多成分混合ガスハイドレートの生成特性を実験的に把握すると共に、平衡計算プログラムを用いた検討も行った。NGH とMGH とではその結晶構造は異なるが、実験から製造圧力5.5 MPa 条件下においてNGH の生成速度はMGH と同等であり、生成圧力が高い程生成速度は上昇することが分かった。さらに、ガス組成の経時変化は平衡計算プログラムでの予測結果と比較的良く一致し、多成分混合ガスハイドレート生成の特性をある程度予測することが可能であることが分かった。

全文(546KB)

【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1930 高橋 正浩
4. 洋上風力発電用TLP 型浮体の開発
鈴木宏始、山口弘志、赤瀬雅之、中田諭志、今北明彦

洋上風力発電用の浮体は、搭載される発電システムに対する負担を軽減するために波浪中の動揺が小さいことが望ましい。緊張係留型(Tension Leg Platform:TLP)浮体は、この動揺が極めて小さいという特徴を有する。そこで、水深100 m 以上の日本近辺の外洋を想定し、曳航・設置時の安定性、メンテナンス作業の容易性などを考慮したTLP 形式の浮体形状を提案した。本浮体は風車を支えるセンターコラム、テンドン(垂直緊張係留ライン)を固定する3 本のコーナーコラム、及びセンターコラムとコーナーコラムを連結する3 本の水平ポンツーンから構成されている。提案した浮体構造について、波浪中の動揺解析、振動解析及び耐震解析を実施し、波浪中における動揺が極めて小さく、振動特性、耐震性についても問題がないことを確認した。

全文(619KB)

【問い合わせ先】
船舶・艦艇事業本部 基本設計部
TEL 03-5202-3529 今北 明彦
5. 高性能バイオガスシステム
-持続型農業に向けた高機能バイオガスシステム-
高橋潤一、山城隆樹、浜本 修、梅津一孝

バイオガスプラントは、メタンを燃料とするコージェネレーション用の再生可能エネルギー源である。また、有機性廃棄物の生物学的処理法の一つであり、畜産廃棄物、緑農廃棄物、生ごみ、有機性汚泥などのリサイクル施設という面も持っている。今回、発電コスト等においても他の再生可能エネルギーに対抗できるシステムを開発した。従来の高温発酵(約55℃)よりも更に温度を上げてメタン発酵を行い、消化液のアンモニア放散を容易にして消化液農耕地散布による窒素汚染問題を解消した。そして、高い温度の発酵によって細菌、ウィルス、種子類を確実に死滅、不活化させることによってバイオガスの普及阻害要因を解消した。更に、規模の大きな集約型バイオガスプラントにすることによって、建設コスト削減と発電効率の向上等を図ることができる。

全文(454KB)

【問い合わせ先】
環境・プラント事業本部 技術開発部
TEL 03-3675-4164 浜本 修
6. 省エネルギー性に優れ活性炭吸着法に代わり得る難分解性有機物含有廃水の処理システムの開発
瀬野比呂司、村田逞詮、玉川準之介、長谷川裕晃

三井造船プラントエンジニアリングは、従来のFenton 法の課題を改善し、ヒドロキシラジカルの発生効率を向上させた高効率Fenton 法を新たに開発した。本技術は、鉄塩の分割添加とpH の微調整により処理対象物質の酸化分解を効率的に促進することを特長としている。本方法は、従来法に比べてFenton 試薬添加量が少量であるにもかかわらず、①処理性能が向上する、②処理水の水質が安定する、③ランニングコストが低い、④低濃度の残留農薬処理に適する、⑤将来環境規制が強化される可能性がある残留医薬品の処理に適する、などの長所を有する。本技術は、難分解性物質の除去に広く採用されている活性炭吸着法に置き換わる可能性がある排水処理法である。

全文(160KB)

【問い合わせ先】
三井造船プラントエンジニアリング株式会社 設計部
TEL 03-3675-7482 瀬野 比呂司
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