三井造船技報

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三井造船技報

第205号
三井造船技報 第205号(平成24年3月発行)
表紙説明:
油圧式排熱回収システムを装備したテストエンジン“4S50ME-T”
三井造船は、舶用ディーゼルエンジンの排気ガスの余剰エネルギーを油圧で回収するシステム(Turbo Hydraulic System:THS)を開発した。
THS の最大の特長は、これまで有効利用されていなかった過給機の余剰動力を、過給機又はパワータービンに接続された油圧ポンプによって油圧動力として回収する点である。油圧ポンプで回収された動力は、エンジンのクランク軸に接続された油圧モータに供給され、最終的にエンジンの軸出力の一部として利用される。これにより、エンジンから排出されるNOx を増加させることなく、燃料消費量を削減することが可能になる。
本システムを適用したテストエンジン“4S50ME-T”の本格運用を2010 年12 月より開始しており、THS をはじめとしたCO2 排出削減技術のほかに、今後のNOx 及びSOx 規制強化に対応すべく、総合的な環境対応技術の開発に取り組んでいる。


II 製品・技術ニュース
全文PDF(373KB)

  • 風力発電設備の設置
     -和歌山県由良町“由良風力発電所”の竣工-
    【問い合わせ先】
    鉄構・物流事業本部 建設エンジニアリング部
    TEL 03-3544-3541 春日井 清秀

  • 平成22年度 広域 第1−2号 佐賀関漁港広域漁港整備工事
     -“佐賀関(生け簀付)浮桟橋”2 函の製作・進水-
    【問い合わせ先】
    東九州支店
    TEL 097-537-9260 高橋 昭
    鉄構・物流事業本部 鉄構運搬機工場 鉄構設計部
    TEL 097-593-3062 森山 誠

I 技術論文・報告
1. 舶用低速ディーゼルエンジン用油圧式排熱回収システム(THS)の開発(第1 報)
-構成と基本性能-
大田和徳、近藤守男、桑田隆司、高橋元幸、坂入信之

地球温暖化対策への取り組みが世界的に強化されるなか、舶用ディーゼルエンジンにおいても、CO2 排出量の削減が求められている。これにはエンジンの更なる高効率化や低炭素燃料への転換が有効であり、それぞれ開発が進められているが、その一方で排熱の有効利用による総合熱効率の改善によってもCO2 の削減は可能である。
三井造船は、舶用ディーゼルエンジンに標準搭載されている過給機の高効率化と、それに伴う余剰排気エネルギーの増加に注目し、これを油圧動力として回収するTHS を開発した。THS では回収した動力をエンジンの軸動力として利用することが可能であり、実質的な熱効率の改善に寄与する。当社玉野事業所内に設置したテストエンジンで行った過給機一体型THS の性能試験では、常用出力において、NOx の排出量を従来以下に抑えつつ3% の燃費改善率を達成した。

全文(449KB)

【問い合わせ先】
機械・システム事業本部 機械工場 技術開発部
TEL 0863-23-2360 大田 和徳
2. プロジェクトマネジメントシステムとWEB コラボレーションによる情報共有化
矢崎裕幸、山口和夫

石油化学等のプロジェクトが近年大型化し、アライアンス型のプロジェクトが増加している。アライアンス型プロジェクトでは、他社のプロジェクトマネジメントシステムとの互換性や整合性のとれたプロジェクトマネジメントが要求される。さらにプロジェクトには顧客、メーカー、工事業者などのプロジェクト関係者がグローバルに多数存在しており、その関係者に進捗状況をリアルタイムで正確に報告することが重要になる。このような状況に対応するために、三井造船は、プロジェクト情報が体系的に収集され、統合されるプロジェクトマネジメントシステム(PMS)を開発し、さらに情報をプロジェクト関係者で共有できるよう、WEB コラボレーションシステムを開発している。このPMS とWEB コラボレーションにより、問題の早期発見と迅速な対応が可能となり、将来のリスクが回避できる。
また、プロジェクト情報は、統合プラットフォームで統合されWEB で共有化される。

全文(516KB)

【問い合わせ先】
環境・プラント事業本部 情報システム部
TEL 043-351-9257 矢崎 裕幸
3. Ni 基鋳造合金の共金溶接による溶接部の耐高温腐食性の向上
小野昇造、鎌田勤也、松野進

三井造船は、廃棄物焼却プラントの高温領域における熱回収部材への適用を目指し、株式会社栗本鐵工所と共同で、Ni基鋳造合金の共金溶接技術を開発した。しかしながら、共金溶接部の耐高温腐食性については、これまで十分な検討ができていなかった。
本報では、耐高温腐食性を検討するためにNi 基鋳造合金の共金溶接継手と、比較材として市販のAlloy625 溶加材による異材溶接継手を作製し、実験室にて850℃と950℃のガス封入型高温腐食試験を行った。腐食試験後の試験片断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、950℃において共金溶接継手と異材溶接継手の耐高温腐食性に大きな差異が現れることを確認した。すなわち、共金溶接継手の溶接金属は、母材と同等の耐高温腐食性を有し、異材溶接継手の溶接金属に比べて、最大腐食深さを1/2 以下に低減できることが分かった。

全文(376KB)

【問い合わせ先】
技術本部 基盤技術センター
TEL 0863-23-3103 小野 昇造
4. 内部構造分析によるハイドレートペレットの自己保存性メカニズムの検証
三町博子、伊藤真人、高橋正浩、佐野健

天然ガスハイドレート(Natural Gas Hydrate:NGH)ペレットを利用した天然ガス海上輸送チェーンの実現には、NGH単位質量当たりのハイドレート割合(ハイドレート率)を高めることと、それを経時的に維持することは重要な課題である。
今回、一軸圧縮成形器を有する半回分式要素試験装置を用いてメタンハイドレートペレット(以下ペレット)を製造し、検討した結果、成形圧力の制御によりハイドレート率の向上と同時に高いハイドレート率の維持を確認した。さらに、ブリケッティングマシンを利用した連続試験装置により、半回分式要素試験装置で製造したペレットと同等の特性を有するペレットを製造した。低温対応の位相コントラストX 線CT 法を用いてペレットの内部構造を調べた結果、ペレットの表面は氷膜で覆われており、内部は若干の氷粒を含むものの緻密なハイドレートであることが明らかになった。さらに、氷膜の内部は約一ヶ月の間、高いハイドレート率を保持していることが示された。

全文(349KB)

【問い合わせ先】
技術本部 千葉技術開発センター
TEL 0436-41-1930 三町 博子
Ⅲ Home Page News
1. 福島県向け岸壁クレーン・2 基受注
詳細は下記URLの「トピックス」をご参照下さい。
http://www.mes.co.jp/press/2012/20120118.html

2. 三井造船株式会社と戸田工業株式会社が共同で、リチウムイオン電池正極材用リン酸鉄リチウム(LFP)製造の生産設備を建設
詳細は下記URLの「トピックス」をご参照下さい。
http://www.mes.co.jp/press/2011/20111215.html
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