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2010年

2010年03月10日
「三井の56」シリーズ100隻竣工を達成

「三井の56」シリーズ1番船
三井造船株式会社(社長:加藤 泰彦)は、3月10日に玉野事業所において竣工した「イカン セリジ」(IKAN SELIGI、当社第1770番船)をもって、当社56,000重量トン型ばら積み貨物運搬船シリーズの、通算100隻目の竣工・引き渡しを達成しました。

当社では従来よりハンディマックス型ばら積み貨物運搬船(ハンディマックスバルクキャリアー)を主力商品の一つと位置付けてきましたが、近年では1993年に販売を開始した46,000重量トン型(計27隻受注)からシリーズ建造への新たな段階に取り組んできました。

同船型は、船主・オペレーターのニーズに応え、港湾事情による船型寸法の諸制限を満足させながら載貨重量および貨物艙容積を当時の主流船型より一回り大型化した最新船型として開発したもので、海運マーケットにおいて高い評価を頂き、ハンディマックスバルクキャリアーにおける当社ブランドの礎を築く存在となりました。

その後1998年にはより多くの貨物を積載できる50,000重量トン型(計33隻受注)を開発、続いてこれらの46型、50型の竣工後の実航海に基づく顧客の評価を反映する形で、トラブル・フリーとさらなる大型化を求めるニーズに応え、一段と推進性能を向上させた現行の56,000重量トン型シリーズの開発を進め、2001年より市場に投入しました。

本シリーズは、「三井の56」の呼び名で国内外の船主・用船者に幅広く認知され、海運マーケットにおいて高い評価を獲得、当時の好調な海運市況にも支えられて受注隻数を順調に伸ばし、2003年2月6日のシリーズ1番船「ノルドヴァル」(NORDHVAL、当社第1565番船)の竣工・引き渡し以来、およそ7年を経て、このたび100隻目の竣工・引き渡しという記念すべき大きな節目を迎えました。

当船型の具体的な特長としては、主に以下の点が挙げられます。

  • 顧客ニーズに応えるため、貨物艙寸法を大型化し、従来のハンディマックス型バルカーに比べて大きい70,000m3を超える積載容積を有している。
  • ばら積み貨物運搬船は、石炭や鉄鉱石、穀物、鋼材など多様な原料、半製品を積載し、また不定期航路での運航が多いためにその都度荷物も港湾条件も変わる。こうした状況で荷物の出し入れをスムーズに行うために貨物艙の開口部寸法を大きく設定し、荷役効率を高めている。また、より能力の大きい荷役用クレーンを搭載して、港湾荷役装置のない港でも制約を受けることが少ない。
  • 主機関として、コンパクトで高出力かつ高い信頼性で定評の当社製ディーゼルエンジンを搭載している。また、運航スケジュールにフレキシブルに対応できる余裕のある馬力設定で十分な速力性能を有している。

上記に加え、推進性能や燃費といった性能面の良さ、また荷役上の使い勝手の良さなどお客様から好評を得て、同一船型のシリーズ船として造船業界では異例となる100隻竣工を達成することができました。

本シリーズは現在もなお50隻を超える受注残があり、玉野・千葉の両工場で建造が続いていますが、当社は当船型をはじめとして引き続き顧客ニーズに応える高品質の船舶を建造すべく全力を注いでいきます。

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