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2010年

2010年04月19日
世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究が完了

NGHローリー
三井造船株式会社(社長 加藤 泰彦)は、中国電力株式会社(取締役社長 山下 隆)と共同で、天然ガスハイドレート(以下「NGH」という。)の製造、配送、利用設備の開発・実証研究を実施してきましたが、このたび実証研究を完了しました。

実証研究では、液化天然ガス(LNG)を燃料として使用する中国電力株式会社柳井発電所(山口県柳井市)にNGH製造試験設備を設置し、製造したNGHペレットを、ローリーなどで同社エネルギア総合研究所(広島県東広島市)および広島ガス株式会社技術研究所(広島県安芸郡海田町)に設置した需要試験設備まで輸送し、利用することにより、NGH陸上輸送チェーンの実証を行いました。

本研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構から両社が共同研究として受託したもので、NGHを製造し、需要試験設備まで輸送、再ガス化して、利用する一連の実証は、今回が世界初の試みとなりました。

天然ガスが水分子の中に包蔵された固体状のNGHは、-162℃の極低温で製造・輸送・貯蔵を行う液化天然ガス(LNG)方式に比べて、常温付近で製造が可能で、大気圧下、約-20℃という穏やかな条件で安定する特性を持つことから、設備全体を簡便にすることが期待されています。

本実証研究で、NGHによる天然ガス輸送の可能性が確認されました。三井造船では、今回の実証成果を踏まえ、並行して実施しているNGH製造プラントの大型化および、NGH輸送船開発などを推進することで、海外の多数の中小ガス田から需要地へ向け、クリーンな天然ガスをNGHで安全かつ経済的に輸送する、新しい天然ガスのサプライチェーンの実用化へ向けた開発を加速していきます。

担当
NGHプロジェクト室
神田、中井  電話:03-5202-3980
お問い合わせ先
広報室
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