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2011年

2011年06月28日
「オゾン利用によるバラスト水処理システム(FineBallast®OZ)」が
日本国政府の適合証明書を取得

三井造船株式会社(代表取締役社長:加藤 泰彦)は、社団法人日本海難防止協会(会長:宮原 耕治)と参画企業5社*1とで共同開発した「オゾン利用によるバラスト水処理システム(FineBallast®OZ)」の適合証明書を、日本国政府から、2011年6月6日付で、取得しました。
これは、IMO(国際海事機関)で採択された「船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約」で規定している「バラスト水管理システムの承認に関するガイドライン(G8)」に基づいて精査されたものです。

適合証明書の取得に先立って、佐賀県伊万里にて実規模ベースの陸上試験と参画企業である株式会社商船三井運航のコンテナ船「MOL EXPRESS」にて船上試験を実施し、双方ともバラスト水排出基準を完全にクリアすることを実証しました。
また、IMOの「活性物質を利用するバラスト水管理システム承認のための手順(G9)」の最終承認を2010年9月末に取得しました。

FineBallast®OZは、活性物質オゾンの酸化力による化学的な殺滅処理とバラスト水配管の途中に設けられたスペシャルパイプ(流れを遮断する方向に配置された2枚の間隙板)の物理的な殺滅処理とを複合化し、お互いの相乗効果による高い殺滅効果とオゾンとバラスト水中の物質との反応で生成される残留オキシダントによる長期間の殺菌作用を組み合わせています。
そのほかに、次の特長を備えています。
(1)殺滅処理は、漲水時の1回です。
(2)供給、貯蔵を必要とする薬剤は一切使いません。オゾンは空気を原料にして、必要なときに必要なだけ造ります。
(3)オゾンはマイクロバブル化して注入するので、高い吸収効率とプランクトンやバクテリアに対する高い接触効率を実現します。
(4)排出の際には、バラスト水中に残留する有害物質を活性炭で除去するため、環境への影響がまったくありません。

バラスト水管理条約の発効が間近であり、これを契機に、小型船(TRC:300m3/hまでの3タイプ)にターゲットを絞って、積極的に営業展開しますが、今後の市場の動向を見極めながら、機能の改良と適用範囲の拡大を進めていきます。

また当社は、6月1日付けで「バラスト水事業グループ」を新設し、バラスト水処理装置の搭載事業にも取り組んでいます。今後需要が拡大するバラスト水処理装置の販売と装置の搭載事業に向けて積極的な事業展開を図ります。

*1【参画企業5社】
①株式会社 商船三井
②株式会社 シンコー
③株式会社 海洋開発技術研究所
④株式会社 水圏科学コンサルタント
⑤株式会社 エム・オー・エル・マリンコンサルティング


【FineBallast®OZのシステムフロー】

FineBallastROZのシステムフロー
担当
船舶・艦艇事業本部 事業開発部
本田  電話:03-5202-3520
お問い合わせ先
広報室
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