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2012年

2012年09月27日
木質バイオマス燃料製造実証プラント建設を完了
-林地残材から固体・液体・気体のバイオマス燃料を製造-

新見プラント
三井造船株式会社(社長:加藤 泰彦)は、環境省による2011年度「チャレンジ25地域づくり事業」に選定された「木質バイオマス燃料事業」において、実証プラントの建設を岡山県新見市で進めておりましたが、このほど実証プラントが完成し、バイオマス燃料を製造するための運転を開始しました。

本事業は、山林の面積が約86%を占める岡山県新見市内で発生する林地残材などの木質バイオマス原料から、固体・液体・気体のバイオマス燃料を製造するものです。
製造したバイオマス燃料は新見市内の石灰製造工場で焼成炉の燃料として使用し、地産地消型のバイオマス燃料事業による低炭素化および事業性等について検証します。

木質バイオマスから固体・液体・気体の燃料を抽出する製造技術は、三井造船が保有する熱分解技術を採用します。
原料である木質バイオマスを無酸素状態で外部加熱すると乾留ガスと固形残存物が発生します。この固形残存物が固体燃料となります。
また、乾留ガスを冷却して得られる凝縮液中の油成分が液体燃料となり、凝縮しないガス成分が気体燃料となります。
今後、プラントの運転を通じて、バイオマス燃料の性状や生産量を把握したうえで、地産地消型のバイオマス燃料事業としての事業性やCO2削減効果を検証します。

岡山県新見市は良質な石灰鉱山を有することから石灰工業が盛んな地域です。
石灰は、石灰石を焼成炉で焼成することで製造されますが、現在は焼成炉の燃料として重油や石油コークスなどの化石燃料が使われています。
この化石燃料の代替燃料として、今回設置した実証プラントから製造される固体燃料や液体燃料を石油コークスや重油と共に使用する予定です。

三井造船は本技術により、化石燃料多量消費工場の化石燃料およびCO2削減ニーズに応え、化石燃料多量消費工場と木質バイオマスの両方が豊富に存在する立地を対象に、地産地消型の中小規模バイオマス燃料事業として全国展開を考えています。


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