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地球には夢がある
三井造船株式会社
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グローバルスタンダード船、
さらなる進化へ。

三井造船が誇る貨物運搬船の世界的定番、ハンディマックスバルカー「三井の56」。
グローバルスタンダード船としての地位を、未来も確かなものとするために、
動き出している技術の最前線をレポートします。

170隻という突出した受注実績を 達成した貨物運送船
「三井の56(ゴーロク)」。

世界の輸出入の9割が、今も船による海上輸送。三井造船が手がけた船も、多数、世界の海を行き来し、グローバルな貨物輸送を支えている。なかでも、「グローバルスタンダード船」と言っても過言ではない地位を確立した三井造船の貨物運搬船が、56,000重量トンのハンディマックスバルカー、通称、「三井の56(ゴーロク。以下、「56」)」。
56,000トンというサイズがマーケットのニーズに見事に合致。その使い勝手の良さで、すでに170隻を受注し、130隻以上が世界に送り出されているベストセラーとなった。この地位に甘んじることなく、次代のスタンダードの地位を目指して、動き出している技術者の最前線を取材した。

「同型船効果により、 生産技術も進化しています。
今なお、無駄をそぎ落としつづけています。」

玉野艦船工場で設計・建造を監督する飯塚岳史は、「56」の建造の経験が生産現場にもたらした進化を挙げる。「同じ船型で10隻つくることがわずかにある程度でしたので、170隻という数字は突出しています。これだけの数、同型船をつくる経験は、建造の無駄を徹底的に削ぎ落とす効果を生みました。」
建造の効率化には、「船台」期間をいかに短くするかが課題となる。玉野工場では、独自の「縦移動」「早期展開」「C型総組」「半浮上方式進水」という4つの方法で、船台期間を大幅な短縮に成功。一つの船が進水する時には、次の船が船台に降りてくるという無駄のない流れができあがり、2本の船台で年間最大17〜18隻を進水させる連続建造体制を確立した。
「電線の長さ、パイプの長さを少しでも短くして資材の無駄をなくそうといった改善は今も続いており、毎船、100件を超える改善提案が出ます。作業者全員が考えて、少しでも改善につなげる姿勢が、風土として染みついてきています。2000年に製造が始まって10年以上経っており、この間には船型の国際的ルールも変わったのですが、「56」のサイズや性能は変えないように守りながら、新ルールに対応するように設計し直してきたことも、見えない進化と言えるでしょう。」

飯塚岳史
飯塚岳史
船舶・艦艇事業本部 玉野艦船工場
艦船建造部 艤装課長

未来のグローバルスタンダード船に
ふさわしい新エンジンの開発。

貨物運搬船の世界的定番となったハンディマックスバルカーを、もっと低燃費で、高い環境性能を持った船へ。次世代スタンダード船への進化のカギを握るのは、環境性能を備えた新エンジンの開発。今、急ピッチで環境対応型ディーゼルエンジン開発を進めている機械・システム事業本部、田中一郎に話を聞いた。
「船に対するNOx(窒素酸化物)排出規制が順次強化されていくことが見込まれており、地球温暖化防止のためのCO2規制も検討されています。これらの環境規制を先取りする環境性能を備えることは、次世代のスタンダード船になるために不可欠な要素。また燃料費の高騰に悩むお客様のためにも、より低燃費なエコシップ化は欠かせません。エンジンを環境性能を高める機器と組み合わせ、一つの「推進システム」として制御できるようにしていきたいと思っています。」

田中一郎 田中一郎
エンジン部門 機械・システム事業本部
機械工場 技術開発部長

「2つの独自技術を テストエンジンで検証中。
まもなく実用化していきます。」

2010年12月から、田中らは実際の商用エンジンと同じ大きさのテストエンジンを稼働させ、環境性能を高める2つの独自技術を主に検証している。まず一つ目が「排熱回収システム(Turbo Hydraulic System)」。排ガスの持っている熱を油圧ポンプと油圧モーターによってエンジンの動力に回収し、全体の燃料消費を減らそうというもの。これによってCO2の排出を2〜3%削減することが見込まれている。
二つ目は「排ガス分離システム(Exhaust Gas Separation System)」。排気ガスを電子制御によりタイミングよく高温ガスと低温ガスに分離することで、NOxを減らし、排熱回収率も1〜2%増やすことが可能なシステムだ。
「これらの新しい技術を早く世の中に出し、世界のデファクトスタンダードとしていきたい。三井造船のエンジンなら、NOx規制もCO2規制もクリアする環境対応製品がパッケージで付いてくる、というようにしていきたいと思っています。」
現在の地位に甘んじることなく、未来のグローバルスタンダード船をつくること。まず、三井造船の船から良くなることで、世界の基準を高めること。技術の挑戦はつづきます。