movie
share Facebook Twitter
物流の進化を、私たちから。
コンテナ用クレーン「ポーテーナ」「トランステーナ」

世界の物流量が伸びるなか、各国で港湾整備が進んでいます。
高効率な荷役を実現するクレーンシステムは、三井造船の強みとする領域。
世界で高い評価を得ている理由をレポートします。

日本の港湾物流を支えてきた三井造船の
クレーンシステム、世界でもシェア拡大中。

岸壁に設置され、コンテナの積み降ろしを行う「ポーテーナ」、ターミナル内でのコンテナの配置・保管を行う「トランステーナ」。2種類のコンテナクレーンが世界の港湾で高い信頼を獲得している三井造船の運搬機事業。コンテナ物流が世界標準となりはじめた1961年に、いちはやくアメリカのパセコ社と技術提携し、技術を導入。1967年には日本で初めてコンテナクレーンを神戸港に納入し、以来、日本のコンテナ物流とともに歩んできました。日本国内におけるシェアは約90%を占めるまでになり、今、グローバルマーケットでもそのシェアを伸ばしはじめている。世界各国の港湾への営業活動をマネジメントする高橋岳之に、今の状況と今後の目標を聞いた。

Portainer® ポーテーナ Portainer® ポーテーナ

Transtainer® トランステーナ Transtainer® トランステーナ

「製品力と、継続的なサービス力で
世界ナンバーワンを目指す。」

「現在すでに、西はスエズ運河を越えてトルコのイスタンブール、東はパナマ運河を越えてアルゼンチンのブエノスアイレスにまでクレーンを納入しており、各地で高く評価していただいています。全世界が私たちの視野には入っていますが、当面は、極めて旺盛な需要のある東南アジアに注力しながら海外展開を進めていこうと考えています。お客様から選ばれる世界ナンバーワンのクレーンメーカーになることが目標。2019年までに売上高600億円の事業へ成長させていく方針です。」
コンテナ輸送船の大型化にともない、コンテナクレーンも大型になっているなかで、三井造船のクレーンが大事にしている特徴は「軽さ」だと言う。
「製品力として、軽さはとても重要です。地盤が比較的弱いところでも置けますし、動かすためのエネルギー消費も少なくて済むわけです。トランステーナはディーゼルエンジンから完全電動化へ切り替えを進めており、ポーテーナも油圧をできるかぎり使用せず電動化したりと、環境対応型へ生まれ変わっているのも私たちのクレーンの特徴です。」
大きくても、より軽く、よりスマートなクレーンへと進化していることが、世界で選ばれている一つの理由だ。

高橋岳之 高橋岳之
機械・システム事業本部
運搬機システム営業部長
(取材:2015年)

製品を納めてからも、継続的に
港湾の"ライフサイクル"に伴走。

製品を納めて終わりではなく、その後もサポートを続けることで、お客さまにメリットを提供していきたい。従来から納入後のサポートを重視してきた三井造船が、そのスタイルを発展させ、提供しているサービスが「ライフサイクルソリューション」。クレーン単体ではなく、港湾全体のレイアウトのプランニングからお客さまの検討に加わり、ともに考え、その上で最適なクレーンシステムを設計、納入すること。その後もメンテナンスを続けながらよりよい改良を考え続けること。港湾の変化によってクレーンの位置を変更したり、古くなったクレーンからリプレイスを行ったり、スクラップを引き受けたりと、日々変化する海上物流にお客様と一体となって、向き合っていくスタンスだ。
三井造船が多くのクレーンを納入しているマレーシア最大規模の貿易港、クラン港でも、修理・点検から部品調達、改造工事まで、現場で日々発生するニーズに、高い技術力で応えています。クラン港に滞在し、メンテナンスに当たっている葛西裕史に、現場で大切にしていることを聞いた。

ライフサイクルソリューション ライフサイクルソリューション

「ターミナル運営の現場で、
お客様と同じ視点に立ったサービスを。」

「現在は、クラン港のウエストポートに滞在しています。お客さまのすぐ近くでメンテナンスにあたっていることで、困ったことやご要望をすぐにお聞きしたり、話し合えたりすることができます。それが一番重要だと思っています。大事なのはとにかく故障しないこと。故障してからでは修理にも時間がかかり、ダウンタイムはお客様に大きな損失をもたらします。そのため“プリベンティブメンテナンス”という、寿命が来ている部品を前もって交換したり、疑いのある部分を点検、補修したりして、故障させないことを心がけています。ターミナルで稼働しているクレーンに関しては、私たちがいちばん状況を把握している立場だと思います。自分の目で見て、実際に機械を動かす人の要望を耳で聞いて、状況を実感していることで、日本にいる設計・製造のメンバーにも的確に状況を伝えることができ、次の提案にも活かしていける。お客さまとともに発展していきたいと考えています。」
クレーンを動かすオペレーション技術の提供や、独自に開発したコンテナターミナルの自動化ソフトウェアなど、ソフトの提供もスタート。今まで以上にターミナル運営の、頼りになるブレーンとなることを目指す運搬機事業。世界の港湾物流がさらなる進化を見せるとき、そのそばにいるのは、三井造船だ。

葛西裕史 葛西裕史
機械・システム事業本部
テクノサービス事業室
運搬機グループ主管
(取材:2015年)