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プロジェクト

風力発電所建設工事

自然条件に大きく左右される風力発電所は、
一つ一つ考え抜いて建設されている。

秋田県男鹿市に建設される若美風力発電所は、国内でも最大級となる出力3,400kWの風車が7基並ぶ施設だ。エンジニアたちはさまざまな課題を「頭」や「足」を駆使して乗り越え、完成に向けて奮闘している。

石山 伸孝

Nobutaka Ishiyama

(株)三井E&Sエンジニアリング
風力発電所建設担当
[プロジェクトマネージャー]

風力発電所を秋田県に建設中

 三井E&Sエンジニアリングの本社にある「風力発電Gr」は建設現場を複数抱えているため出張が多く、壁に貼られている行動表を見ると、そこにはあまり知られていない地名が並ぶ。
 「これらは全て風力発電所を建設している場所です。私たちはいくつもの開発プロジェクトを同時進行させているため、設計や工事の担当者は頻繁に現地に足を運んでいるので、全員が顔を合わせるというのは珍しいですね」
 そう説明するのは、この日、東京に戻ってきた石山伸孝だ。彼もまた重要なプロジェクトを抱えている。
 「現在、手掛けているのは、秋田県で建設中の風力発電所です。3,000kW級という国内でも最大級の風車を7基建設する計画で、完成すれば最大で約1万5,000世帯分の電力を供給できます」
 秋田県の海岸線は強風地帯としても知られることから、各地で風力発電所の開発が進んでいる。今回のプロジェクトが本格的に始まったのは、2016年9月のことだ。
 「通常の風力発電所の建設プロジェクトでは、設計と建設工事を一括して発注しますが、今回は工事の条件が多少複雑だったため、設計と建設工事を別々に発注する方式でした。まず私たちが設計業務を受注したところからプロジェクトは始まりました」

長い送電線を低コストで建設する方法

 規模にもよるが、風力発電所の設計は次のような分担で行うのが一般的だ。
 「全体をとりまとめる基本設計、風車を建てるための基礎を造る土木設計、風車の据付を担当する建築設計、送変電設備などを担当する電気設計、資材の運搬方法を考える輸送設計の5分野のエンジニアが協力して仕事を進めます」
 石山は基本設計の担当として仕様を決める段階から参加した。そして、その後受注する建設工事までプロジェクトマネージャーとして責任をもつことになる。
 「設計を始めてから竣工・引き渡しまで2年間ほどですから、エネルギープラントの建設としては短期間なのですが、強風や豪雨といった自然条件の厳しい場所に建てることが多いので予定外のトラブルは多く、そのたびに対応しなければいけないので、非常に濃密な2年間を過ごすことになりますね」
 この風力発電所の場合にはもう一つ、立地上の問題があった。
 「風に恵まれた土地ではあるものの、電力系統(*)に接続するには20km以上もの長い送電線を建設しなければなりませんでした。その工事に多額なコストがかかれば採算性が望めず、事業そのものが成り立たなくなるので、この点でもエンジニアの腕が問われました。また現地に送電線を布設するため地元の住民との交渉が必要となり、さまざまな問題を一つ一つ解決していくために、地元住民との地道なやりとりが続きました」

風車など特殊構造物は「頭」でつくる

 現在、工事は基礎となる杭を打ち込む段階に入り、今後、風車が建てられ、調整や試運転を経て引き渡しとなる。石山にとっても、まだまだ気の抜けない日が続きそうだ。
 「それでも、これだけのプロジェクトを自分の責任で進めていけるのですから、充実感はあります。風力発電所の建設はこれからも続きます。しかも陸上だけでなく洋上などでも工事が始まれば、さらに高い技術の壁が待っている。実に挑戦しがいのある分野です」
 自然を相手にする風力発電所は風況や立地により条件がまったく異なる。風車本体は外部からの調達品であっても、設計や工事の内容は案件ごとに異なり、全体として一つ一つがオリジナルの「製品」になる。
 「とにかく、何をするにしても考え抜いて結論を出す必要があり、そういうことが苦でない人にとっては非常に面白い仕事です。私自身は、とにかく大きいものをつくりたくて入社したので、今の仕事には大変満足しています」

*電力系統
電力を供給するために電力会社が敷設した送変電網のこと。沖縄を除き連系線などでつながれているため、全国規模の巨大な電力ネットワークとなっている。風力発電所が広い地域に電力を供給したり、電力会社に売電するためには、この電力系統に接続しなければならない。

private

休日は“ちょっと高め”の服や靴を買いに出掛けることが多い。「仕事では人里離れたところに行くことが多いので、ちょうどバランスが取れます(笑)」

mydream

風車を含む特殊構造物の建設はもちろん、我々が建設しノーベル賞受賞に貢献したスーパーカミオカンデのように、自分の手掛ける施設で、今までにない特殊構造物にも挑戦したい。

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