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2012年

2012年06月26日
世界最大級のダブルハルVLCC「ガッサン」引き渡し
ダブルハル燃料油タンク装備の「三井マラッカダブルマックス」第11番船
マラッカ海峡を通過できる最大船型

ガッサン
三井造船株式会社(社長:加藤 泰彦)は、千葉事業所にて建造中でありました、マーシャル諸島共和国、ASTRAEA MARITIME INC.向けダブルハルVLCC(超大型油槽船)「ガッサン」(GASSAN、当社第1808番船)を完成し、本日同事業所にて船主に引き渡しました。

当社は、輸送効率をさらに向上させた新船型「三井マラッカダブルマックス」を開発し、2005年5月に1番船を引き渡しましたが、本船はその11番船となります。

本船は、マラッカマックス船型(注)としては最大の載貨重量と最大の貨物油艙容積をもち、さらに最頻比重の原油を効率よく輸送できる船型です。
本船では、特に海洋・地球環境の保全に配慮して、船体はもちろんのこと燃料油タンクのダブルハル(二重船殻構造)化及びポンプ室の二重底化を実施しています。
また、新たに開発したプロペラの推進効率を高めるための省エネ装置を装備し、航海速力および燃費の向上を図っています。

(注)マラッカマックス船型
マレーシアのマラッカ海峡を通過できる最大喫水での載貨重量を最大化した船型。
多くの日本船社は最大喫水20.5mで運航)

主要目
全長 333.00m
長さ(垂線間) 324.00m
幅(型) 60.00m
深さ(型) 28.80m
総トン数 160,137
載貨重量 308,209トン
貨物油艙容積(100%) 354,689m3
主機関 三井-MAN B&W ディーゼル機関 7S80MC-C型 1基
連続最大出力 27,160KW×76回転/分
最大搭載人員 40人
船級 NK
船籍国 パナマ

引渡日:2012年6月26日

特長
  • 海洋汚染防止を考慮し、燃料油タンクの二重構造化、ポンプ室の二重底化を実施している。また、米国海域での荷役で要求される、原油気化ガスの大気放出を防ぐシステム(VECS)を搭載している。

  • 最新の船首形状および船尾形状の採用、高効率プロペラ、省エネ装置装備により、省エネルギー化を図っている。

  • 新しい規則である国際船級協会連合(IACS)の共通構造規則(CSR)を適用することにより、オペレーションの自由度と構造安全性の向上を両立している。

  • 主機関からの排ガス熱エネルギーを回収するターボ発電機システムを装備している。

  • 主機関に電子制御式シリンダ注油システムを採用し、運航コスト低減を図っている。

  • バラストタンクおよびポンプ室には、固定式の可燃性ガス検知システムを装備し、作業の安全性向上を図っている。

  • 測位装置として、DifferentialGPS航法装置(Global Positioning System)2台を装備し、衛星航法に万全を期している。

  • 電子海図表示情報システム(ECDIS)、自動船舶識別システム(AIS)を装備し、航路計画、航行の安全に寄与している。

  • 機関室にカラーカメラを装備し、ブリッジおよび機関制御室のモニターで機関室の状況を常時監視・把握可能とすることで、安全性に配慮している。

  • 訓練生(10人)の乗船を考慮し、40名分の居住区設備を確保している。

  • 貨物油艙およびバラストタンク内を安全かつ効果的に点検できるようにSOLAS規則に基づいた通行装置を設置している。
お問い合わせ先
広報室
乾  電話:03-3544-3147