Renewable energy

再生可能エネルギーへの世界的なシフトを、日本にも。

【新工法による小規模着床式風力発電設備の建設】

234基の風車建設・製造に携わってきた三井E&Sの風力発電事業。時代の風を受け、本格稼働

加速する再生可能エネルギーへのシフトのなかでも、風力への注目度は高く、日本でも環境省が温室効果ガスの2030年度26%削減(2013年度比)目標の達成に向けて、風力発電の導入拡大を強力に推進。経済産業省も風力発電による電力量の大幅な伸びを予測しています。これまで14プロジェクト・計98基の風車建設※に携わり、計171基のタワー製造を手掛けてきた三井E&Sは、社内に蓄積していた風力発電にかかわる技術やノウハウを一つの部署に集約。再生可能エネルギーをより有効に活用する持続可能な社会に向けて、さらに動き出します。

※2019年、2020年完成予定を含む陸上EPC・洋上風力EPCの合計

アプローチを変え、ノウハウを蓄えながら、
風力発電設備を形にしてきた歩み

2003-

風力発電設備の組み立てに
先駆けて着手

2005-

風車タワーの
設計・製作も手掛ける

2006-

ギアボックスの
設計・製造も自分たちで

2012-

EPC※事業に注力。
洋上風力に挑戦

※ 設計、調達、建造(EPC:Engineering, Procurement, Construction)

この国の重要なエネルギー資源として。
平野部で、山岳で、そして洋上で、
三井E&Sが手掛けた風車が稼働中

ウィンドファーム浜田(島根県)
印南風力(和歌山県)
福島沖セミサブマージブル型浮体風車(福島県)

日本には海がある。富山の海に風車を。
新工法で挑む「着床式洋上風力」プロジェクト

入善町沖着床式洋上風力発電事業

三井E&Sエンジニアリング
環境・エネルギー事業部
第一プロジェクト部 風力発電グループ長

深沢 恵志

三井E&Sエンジニアリング
環境・エネルギー事業部
第一プロジェクト部長

山口 為久

入善町洋上風力発電事業(富山県)

  • 設置基数 2MW級風車×4基
  • 発電所容量 7.5MW級
  • 設置場所 富山県入善町沖海域東側
  • 連系点 北陸電力 入善変電所

日本のやり方を私たちが開発しよう。
たどり着いた「小規模着床式」

陸上風力のポテンシャルが限定的な日本において、風力発電の導入を拡大していくためには洋上風力の推進が不可欠。しかし、洋上に風車を据え付ける大規模な専用船が日本国内にはなく、ヨーロッパのような大規模洋上ウィンドファーム建設はいっこうに進展しない現状があった。民間出資100%での洋上風力は日本にはまだ一つもないのが現状。やり方を見つけなければ導入が遅れるばかり。

「大規模な設備を検討して交渉や環境アセスメント、実験に長い時間をかけるのではなく、すぐに実現できるやり方を開発する必要がありました」(山口)。

そこで山口たちは、水深がそれほど深くない漁港や港湾近くに風車を設置する「小規模着床式」を考案。基礎の規模が小さくて済み、波が比較的穏やかであれば、据え付けにかかるコスト面からも実現へのハードルが下がる。一方営業部は、風力発電事業者とともに、その実現に向けた準備、候補地探しに着手した。

「うちには港湾クレーン用の台船がある」。
フォーク付き台船による新工法を開発

浅瀬に据え付けるといってもどうやって? 据え付け工事の工法については、第一プロジェクト部 風力発電グループ長を務める深沢恵志が2015年8月から開発に着手した。様々な工法を比較検討した結果、深沢が見出した最善の方法は「フォーク付き台船」による据え付けだった。港湾クレーンの据え付けに使われるもので、組み立てたものを立てたままフォークに載せて運搬し、基礎の上に正確に下ろす方法。作業性や経済性にも優れている。港湾クレーン製造を担う大分事業所に深沢が勤務していた経験があったことで生まれたアイデアだった。深沢は1/30モデルを作り、様々な衝撃解析と水槽試験を昭島研究所で実施。クレーン運搬用の台船をわずかに改良するだけで使用できることを確認できた。

「瀬戸大橋やレインボーブリッジのケーソン基礎などの海洋構造物建設の経験もあるし、社内にある技術で多くのことができます。三井E&S造船や三井海洋開発(MODEC)の技術者とも『洋上風車会議』という情報交換会を定期的に開いてきたことが活きています」(深沢)。

フォーク付台船
「天佑」:三井E&S造船(玉野)建造

オリジナル工法を確立。フォーク付き台船工法

工法手順
  • 地上で組み立てた風車を一体でフォーク付き台船に積み込む
  • 風力発電機を海上基礎まで曳航
  • 風力発電機と海上基礎の直上に移動据え付け
  • 風力発電機と海上基礎を現地接合で一体化

場所は富山県入善町に決定。
2021年の運転開始を目指して

風力発電事業者とともに、三井E&Sグループも共同出資し、運営会社を設立。設備の据え付け場所は、日本海に面する富山県の入善町に決まった。海底のボーリング調査や、町や地元の漁業組合との交渉も順調に進み、ついに日本初の民間出資による洋上ウィンドファームが2021年に誕生することとなった。

「日本海に立つ風車は観光資源にもなると、町も期待してくださっています。きっとインスタ映えするスポットになると思います」(関係者談)。

据え付けを担うフォーク付き台船には、三井E&S造船が建造した全長148.3メートルの「天佑」が選ばれた。風車は組み立てられる工場付近の港から天佑によって約40キロメートルを海岸沿いに進み、その運搬の様子もまた人々の関心を集めることになるだろう。日本の風力発電を大きく前進させるプロジェクトの成功を目指し、三井E&Sメンバーの挑戦が続いている。

富山県入善町 笹島 春人町長(左)と握手を交わす三井E&Sエンジニアリング 環境・エネルギー事業部の得丸 茂事業部長(右)

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