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巨大海上設備を嵐から守れ!
私が解説します! 三井海洋開発技術部の小柳津遥陽さん。「係留技術は悪天候下でも安定的な生産活動を支え、FPSOという大切な資産と人命を守る当社事業のキーテクノロジーです」 私が解説します!

嵐を受け流す“風見鶏”装置。

〝嵐を受け流す“風見鶏”装置。

高さ72m、風車の建て方・運び方

柳のようにしなやかに。

油田開発が大水深海域に広がるに従って、固定式のプラットフォームに代わる海洋油田生産方式として脚光を浴びるようになったFPSO。そのシルエットはタンカーにも似ていますが、基本的に推進用のエンジンは持たず、海上に係留索(巨大な鎖)で固定されます。しかし、ここで問題になるのが洋上を襲う激しい嵐。もしもFPSOが嵐に流されれば、油田とFPSOをつなぐライザー(流体輸送管)が破損するなど、最悪の場合油濁に繋がるような大きな被害を受けるだけでなく、FPSOで働く百名にものぼるスタッフが危険にさらされます。係留索で徹底して固定するという方法も考えられますが、あらゆる方向から力が加わる嵐に対しては効果的ではありません。

そこで開発されたのが、「100年ストーム」と呼ばれる強大な嵐にも耐えられるよう、嵐の力を受け流してFPSOを守るタレット方式。「タレット」と呼ばれる巨大な回転装置を軸にFPSOを係留、〝風見鶏〟や〝吹き流し〟のように嵐に対して船体方向を変えて外力を逃がします。

さらに危険性の高い海域には、このタレットでFPSOを切り離して退避できる「ディスコネクタブルタイプ」も投入。
嵐には無理に立ち向かうのではなく、柔軟にやり過ごす。
巨大な構造体も、設計思想は柳のようにしなやかなのです。
※記事の内容は取材当時(2019年4月)のものです。

係留設備の種類

運搬の工程
  • 2500馬力の巨大エンジン製造の現場
  • 受け継がれる“くす玉づくり
  • 市原バイオマス発電所を実現させた男
  • どうやって運ぶ?コンテナ用岸壁クレーン
  • たっぷり楽しい〝おんせん県〟
  • 古くて最新の街、日本橋を歩こう!
  • 廃炉作業用ロボットを開発せよ
  • 瀬戸内の潮風香る玉野を散策
  • 冷凍運搬船の建造に挑んだ若者たち。
  • 巨大海上設備を嵐から守れ!
  • 世界屈指の特殊金属溶接技術
  • 二元燃料エンジン「ME-GI」の製造で学んだこと
  • レーダ探査技術
  • 「ロボット計測ソリューション」の可能性
  • 予知保全を実現するCBM
  • 船舶の自動運転を実現させるために。
  • コンテナ用ヤードクレーン「トランステーナ」嵩上げ工事
  • 造波装置
  • ホームドア設置工事
  • ディーゼルエンジン出荷作業
  • 舶用ディーゼル主機関遠隔操縦装置