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世界屈指の特殊金属溶接技術
私たちが解説します! 三井E&Sマシナリー 玉野機械工場製造部溶接課(産業機械)課長の森本和広さん(右)と溶接士の原田 星良さん。
「複雑な構造物では、上を向いて作業しなければならなかったり、手が入らないような場所も!」
私たちが解説します!

くっつけるのは、分けるため!

くっつけるのは、分けるため!

世界屈指の特殊金属溶接技術

文字通り“溶かして接合する”溶接。下図のように金属同士の表面を高熱で溶かしながら、その隙間に接合用の金属を溶かし入れて一体化します。溶接は、大きなものや複雑な形状の金属製品をつくるために不可欠で重要な技術。自動溶接機もありますが、技術の中心は溶接士の手作業。オーダー設計や複雑な構造物は、やはり人間の柔軟性が頼りなのです。

同じ金属同士はもちろん、異なる金属の接合も可能ですが、特に難しいのは非鉄系の特殊金属。化学プラントなど腐食性の強い薬品の製造設備等に使われるチタンやジルコニウムは、溶接時に高温になることで大気中の酸素と結びつきやすく、酸化して脆くなってしまいます。このため、図のようなシールド治具とガスで温度が下がるまで大気を遮断するなどの工夫を施すことも技術のひとつです。

難易度の高い溶接技術を保つ秘訣、それはASME(米国機械学会)認定工場として品質管理を支えるWPS/PQR※を長年にわたって蓄積していること。材質や板厚などによって異なる溶接の技術詳細を情報化しており、それを正確に施工する溶接士の高度な技量が融合することで、溶接の信頼性が約束されます。

金属と金属を結びつける溶接。それによって一つの大きな製品となり、ときに「内側」と「外側」というように構造が別離されます。完璧にくっつけることで、完全に分ける。気体や液体をしっかりと漏らさないように──。そう、当社製品に施す溶接では、実はこの「分けること」が最終目的だったりもします。

※WPS=溶接施工要領書、PQR=溶接施工法確認試験記録
※記事の内容は取材当時(2020年4月)のものです。

溶接のノウハウ

溶接のノウハウ
溶接のノウハウ

玉野機械工場に保管されているWPS/PQRは、ASME認定工場として先輩方から引継ぎ長年蓄積してきた貴重な財産。

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