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ディーゼルエンジン出荷作業

舶用ディーゼルエンジンは、大型の「11G95ME-C」では長さ23m×幅10.5m×高さ16m、重さ2,200トンにも達する(写真は小型の「6S50ME-C8.5」)。出荷作業には分割発送の場合、小型エンジンで約9時間、大型エンジンでは3〜4日かかり、数十名を超えるスタッフが作業に携わる

私たちが解説します! 三井E&Sマシナリー 玉野機械工場 生産総括部 輸送管理グループ 上 勝彦さん(左)、製造部 組立課 森谷 太一さん(中央)、生産総括部 輸送管理グループ 中村 晋吾さん(右) 私が解説します!

出荷作業も含めて“品質”です。

出荷作業も含めて“品質”です。

ディーゼルエンジン出荷作業

巨大かつ超重量級のディーゼルエンジンの運搬は基本的に船で行います。しかし積込時、2000トンを超えるようなエンジンを完成状態で吊り上げるのは玉野機械工場が誇る大型クレーンでもさすがに不可能ですし、荷揚げ先に能力の高いクレーンがあるとも限りません。

そこで行われているのが、試運転を終えて出荷できる状態になったエンジンを3〜5つほどに分割する作業。吊り上げのための要具・治具の設置や、組み立て方法も考慮し、お客様との協議を重ねて分割方法を検討します。また、このとき重要なのが重量バランスです。クレーンで吊り上げるときも船で運搬している最中も、できる限り水平に安定するよう分割したブロックから一部パーツを外したり、逆に重りを付けるなどして調整します。そして、船内での固定作業は慎重に慎重を期して、波の揺れによって発生する全方向からの力に耐えられるようにワイヤーや固定具を幾重にも使用。もしも運搬途中にバランスを崩せば、大きな事故にも繋がりかねません。特に外洋の荒波にさらされるケースでは、一層強力な固定が必要です。

エンジンは、工場内で「完成」した瞬間に引き渡されるわけではありません。この積み込み作業はいわば私たちの仕上げ作業。長く複雑な製造工程を終えてようやく完成するエンジンですが、確かな出荷作業もまたエンジンの品質であり、最後まで気を緩めることはできません。

※記事の内容は取材当時(2021年10月)のものです。

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