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2016年

2016年7月20日
道路内部と表面を同時計測可能な探査システムを共同開発
-三井造船のレーダとトノックスのレーザー技術を融合-

複合探査車
三井造船株式会社(社長:田中 孝雄)及び株式会社トノックス(本社:神奈川県平塚市、社長:殿内 荘太郎)は、レーダ(電磁波)による道路内部探査とレーザーによる路面性状計測の同時実施が可能なシステムについて、共同開発を実施します。

昨今、社会インフラの老朽化が表面化し、全国的にインフラ設備の長寿命化計画が進められています。長寿命化にあたり、維持管理のための調査・点検の必要性が高まる中で、技術者不足を支援するための調査・点検技術が求められています。

今回の共同開発により、当社の地中レーダ探査装置と(株)トノックスのレーザー計測装置を搭載した複合型の検査システムを確立し、これまで個別に実施してきた路面下空洞や橋梁床版損傷など道路内部の探査と、表面のひび割れや損傷状況など道路表面の性状計測の同時実施による統合管理を実現します。
道路表面と内部状況の同時計測によるデータ整合性の向上と併せ、道路表面のひび割れや損傷と道路内部の損傷状況を統合した結果の提供による補修優先度の把握など、維持管理の支援および効率化を目指します。

当社は、グループ会社の(株)三造試験センターが実施している路面下空洞探査サービスをはじめ、橋梁床版調査、トンネル覆工検査など、それぞれのニーズに合ったレーダ装置を自社開発してきました。2004年には、コンクリート内部状況を3次元映像化したデータで詳細に把握できるマルチパスリニアアレイレーダを開発、JR東日本と共同開発したトンネル覆工内部探査車への搭載で実用化し、現在では、路面下空洞・床版損傷調査などに同技術の適用範囲を拡大しています。
トノックス社では、トンネル壁面や道路表面の性状計測が可能なレーザー計測システムを開発、同社でもつ車両架装・特装技術を活かした車両化により、高い計測能率と品質を実現しています。

本共同開発では、長年培ってきた弊社の地中レーダ技術と、トノックス社の持つレーザー技術・特装技術を融合することで付加価値の高いシステムを開発し、調査・検査、維持管理の効率化が可能なシステム・車両による検査技術を提供します。

今後も、両者の技術を生かした各種機器、装置の開発を進め、顧客のニーズにマッチした先進的な検査サービスを提案、顧客満足を高めていきます。

当社は、今年2月に2016年度~2025年度にかけての長期の方向性を示す「2025ビジョン」を発表しました。その中で、これからの10年間に総力をあげて注力する領域として「社会・産業インフラ」を掲げています。道路や橋梁といった社会インフラ設備の老朽化に対する予防保全・更新需要の増大といった社会ニーズに対応するために、グループ内にとどまらず外部とも積極的に協業する方針を打ち出していますが、今回の協業はこうした方針に則った動きです。


担当部署
機械・システム事業本部 社会インフラ総括部 森島 
電話:03-3544-3085
お問い合わせ先
経営企画部 広報室 乾(いぬい) 
電話:03-3544-3147