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2014年

2014年9月9日
バイナリー発電設備を初受注
―二相流タービンを使い高効率発電―

三井造船株式会社(社長:田中 孝雄)は、三國機械工業株式会社(社長:清水 忠憲氏、本社:東京都墨田区)より「VPCバイナリー発電装置一式」(発電端出力:52キロワット)を受注しました。
ヴァリアブルフェーズサイクル(VPC)バイナリー発電装置は、大林組技術研究所が2014年度中の完成を目指して進めている、スマートエネルギーシステムの設備の一つとして使われる予定です。

バイナリー発電とは、中低温の排熱源から、より沸点の低い媒体で熱エネルギーを回収し、その加熱された媒体でタービンを回し、電力を得るシステムです。
2012年4月と、本年5月の電気事業法の緩和などを背景に、今後、普及拡大が期待される分野です。

三井造船のVPCバイナリー発電は、70~250℃の中低温熱エネルギーから電力を回収することを可能としました。
システムは熱源となる工場他から排出される中低温排水、排ガスなどから熱交換器により低沸点の作動媒体である代替フロン(R245faなど)で、熱エネルギーを回収します。液状、または、蒸気と液の混合状態とした作動媒体をノズルに通して、より細かい均質な気液二相流とし、それをタービンの動翼に吹き付け、タービン・発電機を回して、発電します。二相流の流速を低く押さえ、比較的低回転で運転することで、動翼、軸受け他の耐久性を高めています。
一般のオーガニックランキンサイクル(ORC)の場合は媒体を蒸発させて気体とするため、媒体側温度は媒体の蒸発温度となり、熱源側の熱交換器出口温度に制約が生じますが、VPCの場合は、媒体を加圧し蒸発させる割合を調整できるので、このような制限を回避し、より多くの熱エネルギーを媒体で回収することが可能です。この結果、条件によっては、通常のORCに比べ、2割程度の出力増加が図れます。さらに、タービン発電機を縦型にすることで、設置スペースのコンパクト化が可能となっています。



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