平成30年度「国土交通省 海事生産性革命(i-Shipping)を推進する革新的造船技術研究開発事業」に2テーマ採択

プレスリリース

三井E&S造船株式会社(社長:古賀 哲郎、以下三井E&S造船)および株式会社三井E&Sマシナリー(社長:岡 良一、以下三井E&Sマシナリー)は、国土交通省の平成30年度「国土交通省 海事生産性革命(i-Shipping)を推進する革新的造船技術研究開発事業」の補助対象として、それぞれ下記の2テーマが採択されましたのでお知らせします。

  • 三井E&S造船:「Digital Twinによる造船工程の高度化」
  • 三井E&Sマシナリー:「舶用ディーゼルエンジンのスマートファクトリー基盤技術の開発」

Digital Twinによる造船工程の高度化について

現状の造船業は、艤装品数が多い船種がトレンドとなっており、それに伴う造船工程におけるヒト・コト・モノの情報は膨大となっています。また今後は国内労働人口の減少は避けられず、外国人労働者の活用、設計やブロック製作のアウトソーシング及び造船所間の協業等が造船所共通の課題となっており、そのような状況では正確な工程管理、迅速な意思決定は益々重要になると考えられます。

Digital Twinとは、実際の状況をデジタル上にリアルタイムかつ正確に再現するというコンセプトであり、Industry4.0を支える重要なコンセプトとして位置付けられています。
従来の生産計画は過去の経験やベテランの勘に頼るケースが多く、また生産実績の把握も人系かつタイミングが遅かったため、作業工程に影響を与えるケースがありました。しかしIoTやシミュレーション技術を用いて実際の現場と同じ状況を正確にデジタル上に再現することにより、生産計画と実績の差を正確に把握、問題を早期解決することが可能になると考えます。少人数で工程全体をコントロールして、効率化、LT短縮が実現できるシステムの開発を目指しています。


舶用ディーゼルエンジンのスマートファクトリー基盤技術の開発について

三井E&Sマシナリーは舶用大型ディーゼルエンジンの国内市場のトップメーカで、国内造船における生産性を向上させ、海事産業の活性化を図る目的と本提案が合致し、舶用機器メーカとして採択されました。

近年の海運分野での積極的な環境保全の取組みにより、大気・海洋の汚染を抑制する技術が船舶で実用化されつつあります。このような環境保全の取組み、更に海運市場における市場の環境変化により、造船所でも大規模なカスタマイズが必要とされ、製造現場では多様な工事が発生しています。このような状況は、船舶運航時の経済性や環境汚染物質の発生に関わる推進主機にも強く影響し、舶用ディーゼルエンジン製造の柔軟性は造船の競争力強化に不可欠です。本取組みは、この柔軟性を実現する基盤技術の獲得を目的にしています。


海事生産性革命(i-Shipping)を推進する革新的造船技術研究開発事業について

造船における生産性向上に資する「先進船舶・造船技術研究開発」に要する経費を補助することにより、当該技術に関する研究開発を促進し、もって我が国の造船における生産性を向上させ、海事産業の活性化を図ることを目的とした、国土交通省の技術開発支援事業です。


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