内航コンテナ船「みかげ」の自動航海実証実験の成功

プレスリリース

~日本財団「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラムMEGURI2040」~

三井E&S造船株式会社(社長:船津勇、本社:東京都中央区、以下「当社」)は、公益財団法人 日本財団(所在地:東京都港区、会長:笹川陽平、以下「日本財団」)が2025年までに本格的な無人運航船の実用化という目標を掲げて推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」において、2020年2月から2つのコンソーシアムに参画しています。
当社でこれまで100隻以上の搭載実績がある統合操船装置MMSや定点保持装置(DPS:Dynamic Positioning System)等で培った操船制御技術を活用し、2つのコンソーシアムの3隻の実証船に搭載するための自動・自律操船システムの開発、及び船舶の無人運航に必要不可欠な自律操船技術の実証を進めてきました。

このたび、小型旅客船「シーフレンドゼロ」を用いて行われた「無人運航船@横須賀市猿島プロジェクト」での実証実験(※1)に続き、株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)を代表とする「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」(以下「当コンソーシアム」)において、749トン型内航コンテナ船「みかげ」(井本船舶株式会社所有、井本商運株式会社運航、以下「みかげ」)を用い、敦賀から境港の航路(約145マイル≒270㎞)を、離桟から沿岸航行を経て着桟まで、避航操船を含めた全ての操船を自動で行った実証実験に成功しました。

実証実験では、事前に策定したルートに沿って当社が開発した「自律操船制御システム」を用いて航行し、古野電気株式会社(社長:古野幸男、本社:兵庫県西宮市、以下「古野電気」)が開発した「自船周囲情報統合システム」が航路上にある他船や障害物の情報を把握した際に、当社が開発した「避航計画システム」が安全な避航ルートを策定し、「自律操船制御システム」が避航ルートを航行する様に追従制御することで安全な航行ができること、境港港では「自律操船制御システム」により完全に自動での着桟操船ができることを実証しました。

三井E&S造船は、これからも自動・自律制御技術とDX技術を活かし、「海上交通の安全性向上」と「船員の労働負担低減」に貢献していきます。

「避航計画システム」(2022年1月24日、鳥取県沖)
「自律操船制御システム」(2022年1月25日、境港着桟時)

「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」コンソーシアムメンバー及び役割

会社名 主要役割
三井E&S造船株式会社【当社】
(社長:船津勇、本社:東京都中央区)
「判断」「操作」機能の開発
(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化)
株式会社商船三井
(社長:橋本剛、本社:東京都港区)
全体コーディネーション、リスク評価
古野電気株式会社
(社長:古野幸男、本社:兵庫県西宮市)
「認知」機能の開発
(認知センサー統合、離着桟支援センサー)
井本船舶株式会社
(社長:井本隆之、本社:兵庫県神戸市)
実証船・船員提供、運航計画作成
株式会社A.L.I. Technologies
(社長:片野大輔、本社:東京都港区)
係船支援技術の開発
(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下)
商船三井フェリー株式会社
(社長:尾本直俊、本社:東京都千代田区)
実証船・船員提供、運航計画作成
MOLマリン&エンジニアリング株式会社
(社長:中島孝、本社:東京都港区)
自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟の
シミュレーション作成

当コンソーシアムの今後の実証試験の予定

実証船 船種 実証航路 実証予定時期
さんふらわあ しれとこ
(商船三井フェリー株式会社保有船)
内航フェリー 苫小牧→大洗 2022年2月

※1 「無人運航船@横須賀市猿島プロジェクト」コンソーシアム

  • 三井E&S造船株式会社
  • 丸紅株式会社(代表、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木真澄)
  • 株式会社トライアングル(本社:神奈川県横須賀市、代表取締役社長:鈴木隆裕)
  • 横須賀市(市長:上地克明)
  • 無人運航船の実証実験完了のお知らせ

関連リンク


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