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2020年12月18日

モロッコ王国 国立漁業研究所向け 海洋・漁業調査船 竣工

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三井E&S造船株式会社(社長:古賀 哲郎)は、豊田通商株式会社(社長:貸谷 伊知郎)(以下、豊田通商)を主契約者とした、モロッコ王国農業・海洋漁業省傘下の国立漁業研究所向け海洋・漁業調査船1隻(当社第2001番船)(以下、本船)の建造を、本日、当社玉野艦船工場において完了しました。

本船は、翌19日に同工場を出帆し、豊田通商により船籍港である同国アガディール港まで回航された後、現地で国立漁業研究所に引渡される予定です。
なお、本船建造に係る資金は独立行政法人国際協力機構と国立漁業研究所の間で締結された円借款契約により充当されています。

モロッコ王国は、タコ、イカ、マグロなどの水産物を日本にも輸出しているアフリカ大陸有数の漁業国ですが、乱獲等により2000年代以降漁獲量が不安定になるなど水産資源の長期的な管理が課題となっており、科学的水産資源調査の必要性が要請されていました。
本船の就役により、同国独自で水産資源、深海海洋生物調査に加え海洋環境調査も可能となり、水産資源と海洋環境を一元的に評価できる体制が構築されることとなります。また、同国のみならず北西アフリカ地域でも活躍することが期待されています。

当社は本船建造のみならず、モロッコ王国の船員へ搭載機器の取扱訓練を実施するなど、操船に関する技能の習熟にも取組み、長年培った調査船を始めとする特殊船建造技術を活かし、ハード・ソフト両面から同国の海洋関係の取り組みについての支援を行っております。

当社は本件のほか、インドネシア共和国向け防災船の建造実績も有しており、今後とも海外の公的支援につながる新造船需要にお応えすべく取組んで参ります。

主要目

総トン数 1,238トン(国際総トン数)
全長 48.50メートル
幅(型) 11.80メートル
深さ(型) 7.25メートル
推進機関 MCR1,500 kW x 750 rpm × 1基
航海速力 12.0ノット
最大搭載人員 33名
進水 2020年6月5日
竣工 2020年12月18日

主な特長

  1. 通常航海及び調査研究活動が支障なく行える推進性、耐航性、凌波性、復原性、操縦性を有する船型および船体構造を採用しています。
  2. 調査観測時の水中放射雑音低減と船内の静粛性を実現するために、泡の発生を抑制する船首形状及びプロペラへの伴流を均一化する船尾形状、主機・減速機・発電機関の防振支持、スリップ機構付き減速機、キャビテーションを抑制するプロペラを採用しています。
  3. システム操船装置を採用することで、出入港時・調査観測業務において良好な操船性を発揮するとともに乗組員の負担低減に寄与することが期待されます。
  4. 効率的な中層、底層のトロール漁業調査を連続して行うために2台のネットウインチを装備し、作業甲板を広く確保するためにワープウィンチは船内配置とした漁労設備を有しています。また、高度な海洋資源調査に対応するため、広帯域計量魚群探知機や海底地形探査装置など最新の水産資源・海洋調査機器を搭載し、魚体選別や計測が船内で安全に行える様に広い作業スペースの確保・設備の充実を図っています。

担当

連絡先
三井E&S造船株式会社 艦船・官公庁船・特機営業部
担当
石田
TEL
03-3544-3530

お問い合わせ先

連絡先
株式会社三井E&Sホールディングス 経営企画部 広報室
担当
乾(いぬい)
TEL
03-3544-3147

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