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2022年02月07日

大型フェリー「さんふらわあ しれとこ」の自動航海実証実験の成功~日本財団「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラムMEGURI2040」~

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三井E&S造船株式会社(社長:船津勇、本社:東京都中央区、以下「当社」)は、公益財団法人 日本財団(所在地:東京都港区、会長:笹川陽平)が2025年までに本格的な無人運航船の実用化という目標を掲げ推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」(以下、「MEGURI2040」)において、2020年2月より2つのコンソーシアムに参画しています。 当社は、2つのコンソーシアムの3隻の実証船に搭載される自動・自律操船システムの開発と、船舶の無人運航に必要不可欠な自律操船技術の実証を進めてきました。

このたび、株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区)を代表とする「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」コンソーシアム(以下「当コンソーシアム」)において、商船三井フェリー株式会社が保有・運航する大型カーフェリー「さんふらわあ しれとこ」を用いて、苫小牧港から大洗港の約400マイル(=約750㎞)の航路で、離桟から沿岸航行を経て着桟まで、避航操船を含めた全ての操船を自動で行った実証実験に成功しました。 この実証試験は、これまで実施された自動航海の実証実験としては、世界最長距離・最長時間のもので、当社が「MEGURI2040」において開発した自動・自律操船システムを搭載した船舶としては、3隻目の実証実験の成功となりました。

本実証試験は、「さんふらわあ しれとこ」が実際に商業運航している苫小牧港から大洗港の航路で行われたものです。深夜22時に出港し昼夜にわたり船速約23ノット(=約43㎞/h)という高速での約18時間の連続航行であること、さらに苫小牧港と大洗港を出入港する際の航路が狭いこと等、操船制御システムにとって非常に難しい挑戦となりましたが、正確かつ安全に操船できることが実証できました。特に、到着港である大洗港は、外洋に面しており風・波・潮流にさらされ、かつ狭い場所では航路幅が約80mしかなく、全長190mの「さんふらわあ しれとこ」にとっては、非常に難しい操船が要求される入港、着岸となりました。

当社が開発した自動・自律操船システムは、100隻以上の搭載実績がある「統合操船装置MMS」や「定点保持装置(DPS:Dynamic Positioning System)」等で培った当社の操船制御技術を活用しており、操船者に代わり船を操る「自律操船制御システム」、衝突の危険性を判断し安全な航路を提供する「避航計画システム」、船上の機器との信号入出力や舵・プロペラ・スラスタへの制御指令を行う「統合操船装置MMS」で構成されています。この自動・自律操船システムを、「MEGURI2040」において「無人運航船@横須賀市猿島プロジェクト」の小型旅客船「シーフレンドゼロ」*1、当コンソーシアムにおける内航コンテナ船「みかげ」*2、および「さんふらわあ しれとこ」に搭載しています。この実証船3隻は大きさも特性も大きく異なりますが、このシステムにより航海に必要なほとんどの操船が技術的に自動化可能であること、このシステムが多くの船舶に対応出来ることが、実証試験により確認されました。

また、内航コンテナ船「みかげ」での実証試験と同様に自動・自律操船システムは、古野電気株式会社(社長:古野幸男、本社:兵庫県西宮市)が開発した「自船周囲情報統合システム」と「離着桟支援センサー」が認知した情報を活用して、自動・自律での操船を実現しています。

当社は、これからも自動・自律制御技術とDX技術を活かし、「海上交通の安全性向上」と「船員の労働負担低減」に貢献していきます。

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自動・自律操船システム 構成図

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「さんふらわあ しれとこ」に搭載されている「統合操船装置MMS」

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「避航計画システム」(2022年2月7日、実証実験時)

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「自律操船制御システム」(2021年12月29日、大洗港着桟時)

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実証実験成功後の「さんふらわあ しれとこ」にて撮影


「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」コンソーシアムメンバー及び役割

会社名 主要役割
三井E&S造船株式会社【当社】
(社長:船津勇、本社:東京都中央区)
「判断」「操作」機能の開発
(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化)
株式会社商船三井
(社長:橋本剛、本社:東京都港区)
全体コーディネーション、リスク評価
古野電気株式会社
(社長:古野幸男、本社:兵庫県西宮市)
「認知」機能の開発
(認知センサー統合、離着桟支援センサー)
井本船舶株式会社
(社長:井本隆之、本社:兵庫県神戸市)
実証船・船員提供、運航計画作成
株式会社A.L.I. Technologies
(社長:片野大輔、本社:東京都港区)
係船支援技術の開発
(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下)
商船三井フェリー株式会社
(社長:尾本直俊、本社:東京都千代田区)
実証船・船員提供、運航計画作成
MOLマリン&エンジニアリング株式会社
(社長:中島孝、本社:東京都港区)
自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟の
シミュレーション作成

*1「無人運航船@横須賀市猿島プロジェクト」コンソーシアム
♦三井E&S造船株式会社
♦丸紅株式会社(代表、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木真澄)
♦株式会社トライアングル(本社:神奈川県横須賀市、代表取締役社長:鈴木隆裕)
♦横須賀市(市長:上地克明)
https://www.mes.co.jp/press/2022/uploads/20220113_j.pdf

*2内航コンテナ船「みかげ」の自動航海実証実験の成功(2022年1月26日発表)
https://www.mes.co.jp/press/2022/0126_001740.html

<関連リンク>

•2022年2月7日発表(日本財団):無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」世界初の長距離・長時間の無人運航実証、北海道苫小牧-茨城県大洗で成功
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2022/20220207-67184.html

•2022年2月7日発表(商船三井):大型カーフェリーを用いた無人運航実証実験に成功
https://www.mol.co.jp/pr/2022/22017.html

•2022年2月7日発表(古野電気):無人運航の実証実験に成功、大型カーフェリー
https://www.furuno.co.jp/news/general/general_category.html?itemid=1117&dispmid=1017

お問い合わせ先

担当
三井E&S造船株式会社 事業開発部
TEL
03-3544-3345

報道関係
株式会社三井E&Sホールディングス 経営企画部 広報室
TEL
03-3544-3147

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